誕生から長寿まで、日本では人生の節目にさまざまなお祝いがあります。 皆さんはどんなお祝いがあり、何をするのかご存知ですか? 今回は節目のお祝いについて、ご紹介します。
■お食い初め
赤ちゃんにはじめて食べ物を与える儀式で、生まれてから100日目に行うのが一般的です。初めて箸を使うことから「箸初め」や「箸揃え」、歯が丈夫になるようにと祈願することから「歯がため」など、地域によってさまざまな呼び名があります。料理は一汁三菜が基本で、赤飯や汁、鯛などを新しい器に盛り付け、年長者が食べさせます。無事に育ったことを祝うほか、一生食べ物に困らないようにという願いも込められています。
■七五三
3歳の男女、5歳の男の子、7歳の女の子の成長を祝い、11月15日にお参りし、子どもの健やかな成長を願う行事です。もともとは、3歳は「髪置」、5歳「袴着」、7歳「帯解」という別々の行事でしたが、江戸時代後期に1つにまとめられました。現在のような行事になったのは明治時代以降、この日に欠かせない「千歳飴」は長生きしますようにという願いが込められています。
■十三参り
古くは13歳が大人の第一歩を踏み出す時期と考えられており、関西地方では13歳になる旧暦の3月13日に「十三参り」をする風習が残っています。知恵の神様である虚空蔵(こくうぞう)菩薩にお参りし、知恵を授かる行事で、13品のお菓子「十三知菓」をお供えして食べるのが習わしです。■成人式
大人の社会に仲間入りすることを祝うとともに、社会の一員としての自覚をもつための儀式です。今までお世話になった方へ感謝の気持ちを込め、紅白まんじゅうや赤飯などを配って報告をします。この日に紅白まんじゅうが用いられるのは、赤い色に邪気を払う力があるとされていること、そして白い色には清浄や純真無垢という意味が込められて、縁起物に使われるようになりました。■結納
婚姻する両家の間で行う、婚姻の成立を見届ける儀式です。古くは日本書紀にも記されていますが、一般的に広まったのは明治時代以降。現在では簡略化されることも多いですが、本来は9つの縁起物を送ります。地域によっても異なりますが、関東では以下の9つが主流です。
・目録
・長熨斗(ながのし)…干しあわびを長く伸ばしたもの。長寿を意味する。
・金宝包…結納金を包んだもの
・松魚節(まつうおぶし)…鰹節のことで、勝男節とも。男性のたくましさを意味する。
・寿留女(するめ)…幸せな家庭を作る女性を意味する。保存がきくことから末永い幸せを願う。
・子生婦(こんぶ)…子宝に恵まれ、子孫繁栄を意味する。よころぶにも通ずる。
・友志良髪(ともしらが)…白い麻糸を紡いだもの。白髪になるまで仲睦まじくをいう願いをこめて。
・末広…純白の扇子。純白は純真無垢、末広は将来広く栄えるようにという願いをこめて。
・家内喜多留(やなぎたる)…昔は樽酒を振るまったが、現在は酒代や食事代を意味する。
■長寿の祝い
60歳の「還暦」、70歳の「古希」、88歳の「米寿」、99歳の「白寿」など、長生きを喜ぶ行事です。本人の誕生日などに鯛や赤飯などを用意し、感謝や尊敬の気持ちを伝えます。節目の日は、人生においての大きな変化や新たなスタートを示すだけでなく、家族や友人との絆を深める大切な機会でもあります。ぜひ、節目節目に、家族や友人との素敵な時間をお過ごしください。
Text by まち/食育インストラクター
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