春の出世魚、鰆のお話

春の出世魚、鰆のお話

きびしい寒さの冬がようやく終わるころ、市場に出回る魚の顔ぶれも変化を迎えます。 なかでも旬の魚として古くから愛されてきたのが、今回のテーマ「鰆」です。


【呼び名が異なる「出世魚」】

鰆は大きさによって呼び名がかわる出世魚です。若魚の頃はサゴシ(もしくはサゴチ)・体長が70cmほどになるとヤナギと呼ばれるようになり、鰆になるころには1メートル近い大型魚になっています。淡い乳白色の身は一見すると白身魚と思いがちですが、回遊型の魚でヘモグロビンの含有量が高い鰆はマグロなどと同じ赤身魚として数えられています。

【鰆の旬はいつ?】

鰆は古くから日本ではなじみ深い魚の一種で、春になって産卵期を迎えると瀬戸内海にやってくることから、西日本では春の訪れを知らせる縁起の良い魚として親しまれてきました。そのため、関西では春の魚の代名詞と言えるほど、鰆といえば春が旬!ですが、その一方で、関東では冬だと脂がのって美味しいため、春ではなく冬が旬だとする場合もあります。
このように、地域によって旬が変わるのも鰆のユニークなところで、産卵期を迎え白子や真子が美味しくなる春の鰆と、濃厚な脂のうま味がある冬の鰆。どちらもその時期ならではの魅力があり、甲乙つけがたいものがあります。
栄養素に注目すると、脂がのっている冬の不飽和脂肪酸(DHA・IPA)が多く、血栓や生活習慣病の予防に役立つ一方、春の鰆は身が淡白でエネルギーが低くなるので、ダイエット中などでも良質なたんぱく源として食べやすいといった違いがあり、どちらもその時期ならではのメリットがあります。
ちなみに、鰆はどの時期でも、良質なたんぱく質が多く、造血のビタミンと呼ばれるビタミンB12やカルシウムの吸収を助けるビタミンDも豊富なので、旬の美味しくてお手頃価格な時期にはぜひ食べておきたい魚の一種です。

地域によって旬の時期が異なる鰆。時期の違いは長い期間楽しめるともいえるので、旬ごとの味の変化を味わってみるのも面白いですよ!
まずは冬の濃厚な鰆から召し上がってみて下さい!

Text by はむこ/食育インストラクター

   

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