
特有の香りが食欲をそそるニンニクは、様々な料理に欠かせませんね。 今回はそんなニンニクについてご紹介します。
【ニンニク】
ニンニクは、中央アジアが原産とされる香味野菜で、として使われてきました。私達が普段食べているのは、鱗茎(りんけい)というニンニクの地下茎にあたる部分が肥大したもので、その鱗茎から伸びる花茎(かけい)という茎の部分を食用にした「ニンニクの芽」も人気です。
また日本ではあまり見かけませんが、ニンニクを栽培する過程で伸びる若い葉を食用に収穫した「葉ニンニク」があります。この葉ニンニクは、ニンニクよりもマイルドな香りで、中国では欠かせない食材のひとつです。
【本当は無臭?】
ニンニクといえば独特の香りが特徴的な野菜ですが、実は元々はほとんど香りがしないというのをご存じですか。ニンニクはアリインという無臭・無刺激な成分を含んでいて、そのままでは特別香りを放つという事はありません。スーパーなどでニンニクコーナーから臭いがするという事はないですよね。しかし、このアリインは刻む・すり卸すのように組織を傷つけるとアリイナーゼという酵素と反応してアリシンという物質が生成され、皆さんご存じのニンニク臭へと変化します。
【栄養】
ニンニクの香り成分でもあるアリシンは、硫化アリルの一種です。アリシンや硫化アリルは、強力な殺菌作用のほか、抗酸化作用を持つので、免疫力の増加や動脈硬化予防に効果的です。
ビタミンB1と一緒に摂る事で、疲労回復、スタミナ増強作用が高まるので、豚肉などビタミンB1を含む食材と一緒に摂ると良いでしょう。
アリシンや硫化アリルは、生食の方が効果が高いので、加熱する場合は短時間にするのがおすすめです。
【食べ過ぎに注意!】
ニンニクは、効能の高い野菜なので、たくさん食べた方が良いと思うかもしれませんが、食べ過ぎは胃腸を刺激するので、おならが止まらなくなったり、腹痛や軟便・下痢などの症状を起こす場合があります。加熱したものは1日に2~3かけ、生のものであれば1かけを上限にし、体調と相談しながら食べてください。
私達の食欲を掻き立てるニンニクを活用して、暑くなるこれからの時期を乗り切りましょう!
Text by さゆり/食育インストラクター
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