
特有の粘りが魅力のオクラは、6~9月に旬を迎える、アフリカ北東部原産の夏野菜です。
【オクラの歴史】
エジプトではオクラは2000年以上も前から栽培されていたと言われています。日本へやってきたのは比較的最近のことで、明治時代初期にアメリカから伝わり、昭和中期から後期にかけて一般家庭にも普及して行きました。緑色で五角の形が特徴的ですが、このほかに切り口が丸いものや、赤や白色のものなど、さまざまな品種が作られています。
【気になるオクラの栄養は?】
オクラで注目したいのが、なんといってもあのネバネバ成分。特有の粘りは、ガラクタンやペクチンといった水溶性食物繊維によるもので、腸内環境を整え、大腸がんや便秘予防・改善に働きます。この効果をより期待したいのであれば、生食か汁ごと食べられる汁物や煮物にするのがおすすめです。
そのほか、β-カロテンやカルシウム、鉄などを含み、免疫力アップや疲労回復にも役立ちます。
【オクラを選ぶときのポイント】
表面のうぶ毛が密生し、全体的に緑色が濃く鮮やかなもの、ヘタの切り口がみずみずしいものが良品です。大きいものは筋ばってかたく、苦くなっていることが多いので小ぶりなものを選ぶとよいでしょう。低温、乾燥が苦手なのでビニール袋に入れて野菜室で保存します。かために茹でて冷凍庫で保存することも可能です。
【よりおいしくオクラを食べるには?】
オクラを使うときにガクを切り落としてしまう人も多いですが、この部分もおいしいので捨てずにいただきましょう。包丁でぐるりと一周むいてから使うと、かたさも気になりません。また、塩をまぶしてうぶ毛を取ると、口あたりがよくなり、色も鮮やかに仕上がります。特に新鮮なオクラほど、うぶ毛も多く、口にあたりやすいので、この下処理が欠かせません。生食はもちろん、お浸しや炒め物・煮物など、どんな調理法とも相性のよい「オクラ」。
普段の食事にとり入れてみてはいかがでしょうか。
Text by まち/食育インストラクター
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