味覚を育てよう

「味覚」が発達する乳児期から幼児期は、味覚の幅を広げるチャンスです。 この時期に、何をどのように食べるかがとても大切です。

【味覚とは?】

「甘味」・「酸味」・「塩味」・「苦味」・「うま味」の5つの基本味からなります。
このうち、「甘味」・「塩味」・「うま味」は、母乳にも含まれ、本能的に好む味と考えられます。人間が生きていく上で必要不可欠なエネルギー・ミネラル・たんぱく質を見抜くシグナルとなるものです。
一方、「苦味」・「酸味」は、人間が警戒する味で、毒物や腐敗物などを見抜くシグナルとなるものです。食事経験を積みながら慣れていき、子どもにとっては経験しながらおいしさを覚えていく味です。

【味覚を育てる5つのポイント】

①薄味を心がける
素材の味をいかした薄味の料理こそが、味覚形成の基本です。
旬の新鮮な食材を選び、素材が持つ本来の「うま味」を味わいましょう。

②よく噛んで食べる
よく噛むことで唾液がたくさん出ます。その唾液が食べた物の味物質を溶かし、味蕾に運ぶことによって味を感じます。
噛むことを意識してしっかり味わいましょう。

③口の中を清潔に保つ
口やのどをきれいに保つことで、味覚を感じやすくし、食べ物の微妙な味がわかるようになります。

④食べる意欲を高める
一緒に台所に立って調理することで、子どもの食材への関心を高めるほか、コミュニケーション能力を高める場にもなります。

⑤亜鉛を摂る
亜鉛は味覚を正常に保つ働きや骨・皮膚の発育を促進するため、不足すると味覚障害や成長不良を起こします。
通常の食事では摂りすぎる心配はありません。すすんで摂るようにしましょう。

【五感をフル活用しよう】

食べるという行為は、単に舌を使って味覚を感じているだけではありません。
視覚・嗅覚・味覚・聴覚・触覚、すべてを駆使して食べることで味わい深くなり、「おいしさ」を感じるようになります。
また、五感が刺激されることで子どもの感受性が養われ、脳も活性化します。


幼児期に正しい味覚を成長させておくと、大人になってから繊細な味わいの違いを楽しめるようになります。
将来の食習慣は幼児期の食事が影響するものです。小さいときから楽しい食経験をさせてあげられるといいですね。
子どもたちの健やかな成長のためにも、家族みんなで食卓を囲み、おいしさを共有しましょう。

by くまこ/食育インストラクター
 

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