食料自給率は、国内の食料供給に対する食料の国内生産の割合を示す指標です。 今回は、日本人なら知っておきたい「食料自給率」についてのお話です。
【自給率にも種類が色々ある】
食料自給率には総合食料自給率と品目別自給率の2種類があります。また、総合食料自給率は熱量で計算する「カロリーベース」と、金額で計算する「生産額ベース」があります。
●カロリーベース
食べ物のカロリー=熱量を使って食料自給率を計算する方法です。
国民1人に1日で供給される“国産の食べ物”の熱量を、供給される“食べ物全体”の熱量で割って計算します。
日本の食料自給率は、基本的にこの「カロリーベース」で計算された数字が採用されています。
●生産額ベース
食料の生産・輸入・加工・流通・販売は経済活動であり、全てお金に換算することができます。
そのため、経済活動を評価する観点から、生産額や輸入額を基に計算した自給率が「生産額ベースの食料自給率」です。
【食料自給率の現状】
令和2年度のカロリーベースの食料自給率は、原料の多くを輸入している砂糖・でん粉・油脂類等の消費が減少したものの、米の需要が長期的に減少していること、小麦が特に作柄が良かった前年に比べて単収が減少したことにより、前年度より1ポイント低い37%となりました。これは、先進国の中で最低水準となっています。国としては、令和12年度までにカロリーベースの食料自給率を45%にするという目標を掲げています。
【食料自給率が低いと、どんな問題が起きるの?】
自給率が37%ということは、63%の食料は海外からの輸入に頼っているということになります。食料の生産には、農地や水、太陽の光などの自然環境を利用します。そのため、天災や異常気象、感染症の流行などで生産が不安定になることがあり、輸出国の生産量が減少した結果、国際価格の高騰を招きます。
その場合、商品価格は高くなるうえ、生産量が大幅に減少した場合は輸入できなくなる可能性もあり、私たちの食生活に大きな影響を及ぼします。
食料自給率の向上に向けて、私たち1人1人ができる第1歩は、『食に関心を持つこと』だと思います。
食材の旬や産地を意識したり、自給率がほぼ100%の米を中心としたバランスの良い食事を心掛けるなど、できる事から始めてみましょう!
Text by ろい/食育インストラクター
-
カテゴリ