意外と知らない土用の丑の日

意外と知らない土用の丑の日

「土用の丑の日」とひとくくりにされていますが、実は「土用」と「丑の日」は別の意味合いがある言葉です。 今回は、意外と知らない「土用の丑の日」についてご紹介します。

【土用】

土用とは、季節の変わり目である二十四節気のうち、「立春」・「立夏」・「立秋」・「立冬」の前、約18日間の事で、年4回あります。
2022年の土用は
冬土用1/17~2/3
春土用4/17~5/4
夏土用7/20~8/6
秋土用10/20~11/6
 です。

昔は土用ごとに様々な風習がありましたが、現在、土用といえば夏の土用を指す事がほとんどとなり、他の土用を知っている方は減っています。
その理由として、立秋前の夏の土用は、梅雨が明け、二十四節気の「大暑(最も暑いころ)」も含む時期で、特に注視されていたため、残っていったと考えられます。

【丑の日】

丑の日は十二支の干支である「うし」の事です。
今でこそ干支は年賀状などで新しい年になった時などにしか登場しませんが、旧暦を使用していたころは、方位や月日・時刻にも干支が用いられていたので、日常の中にあふれていました。
日本には古くから夏の土用期間の丑の日に「う」の付く食べ物(梅干し・うどん・瓜(西瓜・胡瓜・冬瓜・南瓜・苦瓜)など)を食べて精気を養い、無病息災を祈願していたことから、土用と丑の日がくっつき、「土用の丑の日」が生まれました。
ちなみに、夏土用の間に丑の日が2回入る事がありますが、その時は最初を「土用の丑の日」とし、2回目は「二の丑」といいます。

【現在の土用の丑の日】

「土用の丑の日」といえば、「夏の暑い盛りに精のつくウナギを食べて夏バテに負けない体を作る日」というイメージの方が多いのではないでしょうか。
しかし、実はウナギがおいしい時期は夏ではなく、秋~冬にかけてです。
どうしてウナギが食べられるようになったかというと、諸説ありますが、江戸時代の蘭学者 平賀源内がウナギ屋の主人に「どうしたら夏もウナギを食べてもらえるか」と相談された際に、昔からの風習である「う」の付く食べ物を土用に食べる事にあやかって「土用の丑の日にウナギを食べるべし」という張り紙などを出すようにアドバイスした事が始まりとされています。

「「う」以外の夏土用の風習」

「う」のつく物を食べる以外に、土用の丑の日にモモの葉などを入れた風呂に入る「丑湯」や、梅雨の時期に湿った書物や衣服などを風に当てて干す「土用の虫干し」などもあります。
また、「土用シジミは腹薬」といわれ、肝臓によいシジミを食べたり、精が付く食べ物として卵を食べる「土用卵」・あずきの厄除け効果と力がつく餅を合わせた「土用餅(あんこ餅)」をいただく風習が残っています。


いかがでしたか。
昔ながらの土用の風習なども交えながら、季節の変わり目を感じてみてくださいね。

Text by さゆり/食育インストラクター
 

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