私たちの生活に欠かせない、水と和食の関係

私たちの生活に欠かせない、水と和食の関係

私たちの生活に欠かせない「水」。 蛇口をひねれば簡単に水が手に入る日本は、世界と比べても水に恵まれている国だといえます。今回は、水と和食の関係についてのお話です。

【豊富な水で和食文化が発達!?】

日本のほとんどの地域は軟水です。
軟水はクセがなくまろやかな味わいなので、素材の味を生かした料理に適しています。
その豊富な水を使って日本では「煮る」、「蒸す」、「茹でる」など水をたくさん使った調理法や、「出汁」、「豆腐」、「日本酒」などの素材の持ち味を生かした和食文化が作られてきました。また、「茶の湯(茶道)」が発達した理由のひとつにも軟水が挙げられます。

【水とおいしい料理の関係】

私たちが普段何気なく料理しているときにも水の力が発揮されています。
今回は、そのなかから4つご紹介します。

●ごはんを炊く
日本人の好きなふっくら艶やかなごはんを炊くには、「軟水」が適しています。
硬水で炊くと水に含まれるカルシウムが食物繊維をかたくし、粘り気の無いパサパサとしたごはんになってしまいます。ただし、ピラフやパエリアなど、粘りを出したくない料理の場合には、硬水を使うのもおすすめです。

●出汁をとる
和食の基本でもある出汁には、主にかつお節と昆布が使われています。その素材の成分を十分に引き出すには「軟水」を使うことが重要です。硬水を使うと水に含まれるミネラル分がかつお節や昆布などのうま味成分と結合し、アクとなって出てしまうため、素材のうま味が上手く引き出されません。

●素材を煮る
和食でよく使われる魚や野菜を調理するときも基本的には「軟水」が適しています。魚は軟水で煮ることでふっくらと仕上がり、本来のおいしさが引き出されます。また、野菜を煮るときも軟水を使うことで、素材をやわらかく仕上げることが出来ます。

●日本茶をいれる
日本茶に合う水は、硬度30~80mg/リットル程度の「軟水」です。日本の水道水のほとんどがこの範囲内の硬度なので、日本茶をいれるのに適しています。日本茶は、うま味、渋味、苦味のバランスを楽しむ飲み物で、硬水だとそれらが抽出されにくくなってしまいます。よりおいしい日本茶を楽しむためには3~5分沸騰させて水道水のカルキ臭を抜くことが必要です。


水に恵まれているとはいえ、限りある資源です。
大切に使い、おいしい料理を作りましょう。

Text by まち/食育インストラクター
 

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