「新型栄養失調」ってなんだろう?

「新型栄養失調」ってなんだろう?

”飽食の時代”である現在、『「栄養失調」なんて言われても、いまいちピンとこない…』という方も多いのではないでしょうか? 実際、日本で多くの人が栄養失調となったのは、第二次世界大戦中や終戦後まもなくのこと。その後は「栄養失調」という言葉を耳にすることが少なくなりました。 しかし、近年「新型栄養失調」という言葉が出てくるようになってきました。 今回は、誰もが起こり得る「新型栄養失調」についてご紹介します。

【「新型栄養失調」って何?】

そもそも、「栄養失調」とは“食物の摂取量や各種栄養素の不足のため、身体に異常が現れた状態”を指し、体重減少・脱力感・無気力、体温や血圧の低下、徐脈・貧血・浮腫・下痢などがみられます。
それに対し、「新型栄養失調」は、エネルギーがしっかり足りていて、むしろ“栄養過多”であっても起こり得ます。それは、『栄養素の極端な偏り』が原因だからです。
そのため、新型栄養失調と診断される人は標準体型であったり、肥満の場合も少なくありません。

【どんな人がなりやすいの?】

●高齢者
麺類やお茶漬けなど、さっぱりとしたものだけで食事を済ませたり、歯を失ってかたい食品を避けるようになったりすることで、食事の内容に偏りが出てしまいがちです。
また、高齢かつ単身の方は、足腰の不調が原因で買い物や調理ができなくなる場合もあるので、周囲の方のサポートが必要です。

●若い女性
自己流の食事制限ダイエットなどが原因で、栄養不足になってしまいがちです。
また、食事がファストフードに偏っていたり、同じものばかりを食べているケースも注意が必要です。

●20~50代の働き盛りの男性
忙しい仕事の合間にコンビニのおにぎりのみ、インスタント食品など、手軽にエネルギーを摂れる食事に偏りがちです。
野菜不足によるビタミン・ミネラル・食物繊維の不足が、基礎代謝や免疫力の低下に繋がり、血管や細胞の老化を招きます。

●偏った食事傾向にある子ども
子どもは、自分自身で栄養バランスの偏った食事を改善する力がないので、周りの大人がしっかり食事の管理をする必要があります。
近年、共働きの家庭が増え、時短のために外食やファストフード、コンビニのお弁当などの利用が増えています。そのような食事が毎日のように続くと、脂質や塩分の摂り過ぎや、ビタミン・ミネラルの不足が問題視され、新型栄養失調を招く可能性が出てきます。

【「新型栄養失調」にならないようにするには?】

新型栄養失調の対策としては、『食事のバランスを整える』という事に勝るものはありません。
・主食・主菜・副菜の揃った食事をとる
・1日30品目を目標に、色々な食品をとる

この2つの心掛けが、新型栄養失調を防ぐ上でとても大切です。


体は、食べたものでできています。
皆さんもご自身の食生活を見直してみてはいかがでしょうか?

Text by ろい/食育インストラクター
 

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