“隠れ肥満“にご注意を!

“隠れ肥満“にご注意を!

“肥満”と言うと、「体重が増えた」、「下半身が太くなった」など、体重や体型のことばかりを気にする方も多いのでは…? 確かに、それも肥満の目安の1つではあります。しかし、歳を重ねると基礎代謝量が減少することで増加傾向にある、『体脂肪』に目を向けることも大切です☆ 今回は、体重だけでは判断が難しい、“隠れ肥満”についてのお話です。

【まずは、「痩せ」と「肥満」を正しく理解しよう】

近年太り過ぎている訳ではないにも関わらず、他人と比較したり、痩せている方がよいという価値観によって『自分は太っている』と思い、ダイエットする女性が増えています。
無理なダイエットは、生理不順や無月経、将来の骨粗しょう症を招く一因になります。しっかり食べて、しっかり体を動かし、“適正体重”を目指しましょう。

●肥満を判定する指標、BMI(Body Mass Index)を知ろう
BMIは、『体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))』という式から求めることができ、算出された値が25以上だと肥満と判定されます。また、この値が22の時が最も健康的な体重になります。つまり、身長の2乗に22をかけることで適正体重を求めることができるのです。
例えば、160cmの人の適正体重(BMI=22)は、1.6(m)×1.6(m)×22=56.3(kg)と求めることができます。
そして、1.6(m)×1.6(m)×25=64.0(kg)以上だと肥満といえます。

【BMIは正常値でも、“隠れ肥満”!?】

肥満度の判定にはBMIが用いられますが、あくまでBMIは適正体重を知るための値なので体脂肪率を計ることはできません。また、同じBMIでも脂肪がどこについているかで、健康への危険性は大きく異なります。肥満のタイプは、大きく「内臓脂肪型肥満」と「皮下脂肪型肥満」の2つに分けられます。
筋肉の内側の腹腔内に脂肪が多く蓄積する「内臓脂肪型肥満(リンゴ型肥満)」の人は、糖尿病、高血圧、脂質代謝異常などを発症する確率が高くなると言われています。
一方、腰まわりや太ももなど下半身を中心に皮下脂肪が多く溜まっているものの、内臓脂肪は少ない「皮下脂肪型肥満(洋ナシ型肥満)」の人は、こうした症状はあまりみられません。

【内臓脂肪を減らす食事のポイントとは?】

・腹八分目にする
食べ過ぎ・飲み過ぎは内臓脂肪が蓄積し、肥満やメタボリックシンドロームを招くので、腹八分目を心掛けましょう。満腹の指令は胃ではなく脳から発信されるものなので、食事をしたからといってすぐに満腹中枢が刺激されるという訳ではありません。
腹八分目は、感覚として“あと少し食べられる”“まだ少し物足りないかな”と感じる位のところで止めるということです。

・食物繊維を多く摂る
野菜や豆類、きのこ類、海藻類などは低カロリーで、そのうえ食物繊維が多くて腹持ちするので、内臓脂肪を増やさない最適の食品です。また、食物繊維には脂質や糖質の吸収を妨げる働きもあります。

・ゆっくりよく噛んで食べる
早食いをすると、満腹感を感じる前にたくさん食べてしまいがちです。また、血糖値が急上昇したり、余分な脂肪の蓄積を増やす結果にもなります。
ゆっくり時間をかけ、よく噛んで食べると、食べる量を無理なく減らすことができます。


意外と見落としがちな『体脂肪』。
皆さんも時々体脂肪も測って、自分の体と向き合ってみてはいかがでしょうか?

Text by ろい/食育インストラクター
 

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