食物繊維、ちゃんと摂れていますか?

食物繊維、ちゃんと摂れていますか?

皆さんは食事をする上で、「食物繊維」を意識して摂っていますか? 今回は、『第6の栄養素』と称されるほど、近年重要視されている「食物繊維」についてのお話です。

【そもそも、「食物繊維」って何?】

食物繊維は炭水化物から糖質を除いたもので、人の消化酵素で分解されない食物中の成分です。以前は栄養がなく、不要なものとして考えられてきましたが、近年様々な生理作用や機能が明らかになり、5大栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル)に次ぐ、『第6の栄養素』とも呼ばれています。
今では、“便秘に効果的な栄養素と言えば、食物繊維!”というイメージが定着するほどになりました。

【食物繊維にも種類がある!】

食物繊維は大きく「水溶性」と「不溶性」の2つに分けられ、それぞれ特徴があります。

●水溶性食物繊維
水に溶け、一緒に食べたものと混ざり合ってゲル状(柔らかいゼリー状)になり、腸内の糖質や脂質の吸収を穏やかにする他、有害成分などを吸着して体外へ排出させます。
そのため、血糖値の急激な上昇が抑えられ、脂質やコレステロールの吸収を抑制し、糖尿病や動脈硬化、脂質異常症などの生活習慣病予防に役立ちます

●不溶性食物繊維
胃や腸で水分を吸収して大きく膨らみ、便の量を増やすとともに腸を刺激してぜん動運動を活発にし、腸内に発生した有害物質や便通を促進します。

どちらも大腸内の細菌により発酵・分解され、ビフィズス菌などの善玉腸内細菌の餌になるため、善玉菌が増え、腸内環境が改善されます。
この2種類の食物繊維は、どちらかを沢山摂ればよいのではなく、両者をバランスよく摂ることが大切です。
そして、“潤滑油”となる水分や適度な油を摂ることも、便秘を予防・改善する上では欠かせません。

【食物繊維を上手に摂るには?】

現在、厚生労働省は成人男性で21g以上、成人女性で18g以上を1日あたりの目標量と定めています。しかし、日本人は食物繊維が不足しがちで、この目標量を摂れていないというデータがあります。
食物繊維は穀物、野菜類、海藻類、豆類、きのこ類などに含まれています。
食物繊維を多く摂取するには、調理法をひと工夫してみましょう。
例えば野菜の食物繊維を摂る場合、スープや煮物などにするとカサが減って沢山の量を食べる事ができ、その上、水溶性食物繊維も余すことなく摂れます。
また、米の場合、白米よりも玄米や胚芽米は精製度が低く、食物繊維が多く含まれています。玄米や胚芽米が苦手な方は、ご飯に海藻や豆、きのこなどを混ぜたりするのもおすすめです。


皆さんも、色々な食品から少しずつ、バランスよく食物繊維を摂るよう、心掛けてみてくださいね。

Text by ろい/食育インストラクター

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