野菜のアク抜き~春・夏編

野菜のアク抜き~春・夏編

野菜のアク(灰汁)とは、食材の持つ渋みやえぐみ・臭みのことで、食材の酸化や褐変の原因にもなります。また、アクをそのままにしておくと渋みやえぐみを感じ、料理の味が損なわれる上、濁って見た目も悪くなってしまいます。 しっかりアク抜きの方法を確認して、美味しい料理に仕上げましょう。今回は春・夏の野菜のアクの取り方についてご紹介します。

【春野菜のアク抜き方法】

●筍
土を落として外側の皮を2~3枚はがし、穂先は5~6cm斜めに切り落とします。
火の通りをよくするために、皮の厚みだけに縦に1本切れ目を入れ、根元のゴツゴツした部分をそぎ落としましょう。
鍋に重ならないように筍(250~300g)を入れてかぶるくらいの水を注ぎ、ぬか1カップ、赤唐辛子1本を加えます。筍が浮き上がらないように平皿などで重石をし、強火にかけて沸騰したら弱火にし、アクをとりながらじっくりと1~2時間程度茹でます。(途中、湯が少なくなったら適宜水を足しましょう。)根元のかたい部分に竹串がスッと入れば火を止めてそのままひと晩冷まします。
※ひと晩しっかり冷ますことでアクがさらに抜け、さらに茹で汁に出たうまみを筍に戻すことができます。

●わらび
深めの耐熱容器にわらび(500g)を入れ、沸騰した湯1Lに重曹小さじ1を入れ、わらびに回しかけ、蓋をしてそのまま冷めるまでおきます。
※重曹を入れてアルカリ性にすることで、わらびの繊維を柔らかくし、アク成分を出しやすくします。

●ふき
ふきの重量に対し2%の塩をまぶしてこすり、鍋の大きさに合わせて切ります。
太いものから順に、沸騰した鍋に入れ、3~5分茹でて水にさらします。
切り口から皮をおこして筋を引きむきましょう。
※塩で本来の緑色を保ち(色止め)、板ずりすることでふきの繊維がやわらかくなり、塩熱湯に苦味や渋味のアク成分が抜け出しやすくなります。水にさらす時間が長すぎると風味が損なわれるので注意しましょう。

【夏野菜のアク抜き方法】

●なす
なすのアクは、ポリフェノールの一種で身体に悪いものではないため、必ずしもアク抜きが必要なわけではありません。切り口の変色を防ぐため、渋みを取り除きたい場合はアク抜きをしましょう。
アク抜きは、なすを切ったら水に数分さらすか、切ったなすの表面に塩を少々振り、2~3分程度おき、出てきた水分をペーパータオルなどでふき取るなどの方法があります。塩を振った場合、少し塩味がつくので、調理によってアク抜き方法をかえても良いですね。

●きゅうり
ヘタを切り落とし、切り口を白い液体(アク)が出てくるまでこすり合わせて洗い流します。また、きゅうりの重量に対し2~3%の塩をまぶして板ずりすることで、アクを減らすことができます。


いかがでしかたか?
アク抜きは少し面倒だなと感じるかもしれませんが、料理の見た目や味がグッと上がるので、ぜひ丁寧に行ってみてください。

Text by くまこ/食育インストラクター

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