「高齢者の脱水」に注意!

「高齢者の脱水」に注意!

“成人の体の約60%は水分”と言われるように、水分は生きていく上で欠かせません。 暑くなるこれからの時期は、汗として水分が体外に出ていくので水分補給がとても重要になります。なかでも高齢者はのどの渇きを感じづらいので、特に注意が必要です。 今回は、「高齢者の脱水」について考えていきます!

【高齢者が脱水になりやすいのはどうして?】

「高齢者は、若年者に比べると脱水になりやすい」と考えられていますが、それには以下のような要因が挙げられます。

●体液量の減少
人間は年を重ねるごとに、体重における体内の水分量の比率は徐々に減少します。
一般的に、高齢者の体の水分量は約50%(若い頃と比べると約10%減)だと言われていて、そのため若年者より脱水になりやすいと考えられています。

●喉の渇きの感覚機能「口渇中枢」の機能低下
加齢と共に、喉の渇きを感じる「口渇中枢」の機能が低下していきます。
そのため、高齢者は発汗などにより体内の水分が失われても渇きを自覚しにくく、水分摂取が遅れて脱水症状を起こす傾向にあります。

その他、
●食欲不振や嚥下障害などにより、水分を十分に摂取できない
●糖尿病による尿量の増加、降圧剤の利尿作用
●夜間のトイレを避けるため、意図的に水分を十分に摂取しない

なども要因として挙げられます。

【脱水を予防するには?】

様々な要因から脱水になりやすい高齢者には、こまめな水分と電解質補給が重要です。
家の中でくつろいでいる状態であれば、1時間に100ml程度の水やお茶を飲んで口を潤すことがおすすめです。
また、発汗時や喉が渇いたと感じた時は、体液に近い成分で体に吸収しやすい経口補水液をこまめに1~2口飲むように心掛けましょう。
また、就寝前と起床時に、コップ1杯の水を摂ることも大切です。
就寝中はコップ1杯程度の汗をかきます。寝ている間は水分と電解質の補給ができず、血液がドロドロになって血栓症のリスクが高まるので、是非飲むようにしてください。


人間は汗をかいていないと感じても、皮膚や肺からは1日約900mlもの水分が常に失われていて、毎日1000~1500mlの水分補給は必要です。
ご家族に高齢の方が居る場合は水分補給を促したり、食事の水分量を増やす(汁物をはじめ、牛乳やヨーグルト、フルーツなどを摂る)などして、脱水にならないようにサポートしてあげてくださいね☆

Text by ろい/食育インストラクター

カテゴリ