
以前から健康に良い食事として注目されている日本料理ですが、ユネスコの無形文化財に登録された事で、再度注目を浴びています。 今回は日本料理の五味五色五法についてご紹介します。
【五味五色五法とは】
日本料理には五味五色五法という考え方があり、これは陰陽五行説をもとにしたものです。なかでも懐石料理を作る時に重要で、これらを組み合わせて四季折々の料理を作り出していきます。それぞれについて以下にまとめました。
●五味
五味は五つの味の事を指します。塩味・甘味・うま味・苦味・酸味で五味です。
塩味・甘味・うま味は、私達にとって美味しさを感じる心地の良い味です。
苦味・酸味は本来、毒や腐敗のように私達の体にとって好ましくない味として認識しているので、赤ちゃんや子どもはあまり好きではありません。しかし、大人は様々な物を食べ、味の経験を積んでいく中で苦味や酸味も美味しさの要素である事を理解しているので、美味しいと感じる事が出来ます。
●五色
五色は赤・緑(青)・黄・白・黒です。
この五つの色をバランス良く取り入れると、美味しそうと感じる見た目の料理を作る事が出来ます。
一見色合いなどあまり料理の味に影響しないと思うかもしれませんが、人は五感をフルに使って食事を楽しんでいるので、色はとても重要な要素です。
●五法
五法は、焼く・煮る・蒸す・揚げるの調理法に、何も手を加えず生のまま食材を味わう事を入れた五つの方法を指します。
同じ食材を使っても、調理法が違うと全く別の食感や味になるので、色々な方法を知ることはとても大切です。
先ほど懐石料理の時に重要と書きましたが、かしこまった場ではなく、私達が日常でいただく食事でも、美味しくいただく時には基本としたい考え方です。
五味五色五法に、盛り付ける器も組み合わせていくと、華やかな食卓になります。
凝った料理である必要はありません。食べる人の事を想う心のこもった一品を作ってみてください。
Text by さゆり/食育インストラクター
-
カテゴリ