油脂の特性②

料理やお菓子に使われる油脂ですが、種類によっての機能や違いについて分からないことが多いですよね?今回はそんな油脂についてのお話です。

【油脂とは?】

油脂とは、常温で固体の脂肪と常温で液体の油を合わせて油脂といいます。
常温で固体の脂肪というと、お肉の脂身やバターなど。
常温で液体の油というと、サラダ油やコーン油などです。

【油脂の調理の役割は?】

●高温調理機能
通常の煮物などの水を使った調理では、温度が100℃を超えることはありませんが、揚げ物では150~200℃という高温で短時間に素早く調理することが出来ます。
また、表面の水分を素早く蒸発させる役割があります。そのため表面はカリカリ、具材はふっくら仕上がります。

●風味をつける
調味料として使う風味油には大きく分けて2種類あります。
ひとつはごま油やオリーブオイルなど油の原料から出た風味を持つ油です。もうひとつはネギ油やガーリックオイルなど香りのある野菜を油に入れて、香りを油に移したものです。
これらの油を使用することで、手軽に本格的な香りと風味を料理に付与する役割を持っています。

●付着を防ぐ
炒め物をする際に、食材が直接フライパンに触れることを防ぎ、焦げつきを軽減することが出来ます。
また、麺類を調理する際に、茹でた麵同士の付着を防止し、麺のほぐれやすさを向上させる役割を持っています。

【意外と知らないバターとマーガリンの違い】

バターの代用品として使われることの多いマーガリンですが、それぞれ何が違うのでしょうか?
まず、原料が違います。バターは牛乳が原料で、分離したクリーム状の乳脂肪を固めたものです。
一方で、マーガリンは菜種油やコーン油などの植物油が原料です。これに水・塩・乳成分などを加え、油脂と水分が分離しないよう乳化し冷やし固めると、マーガリンが出来ます。
次に、風味やコクにも違いがあります。バターには、乳脂肪由来の濃厚なコクがあり、加熱しても損なわれません。しかし、マーガリンは植物油が原料なので、バターのような風味がなく、加熱すると香りが飛んでしまいます。


油脂の機能や違いについてお分かりいただけたと思います。それぞれの特徴に合わせて使い分けてみてはいかがでしょうか?

Text by あお/食育インストラクター

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