減塩生活はじめませんか?

減塩生活はじめませんか?

日本は昔から、しょうゆや味噌といった調味料、漬物、干物などの保存食が食生活を支えてきたため、どうしても塩分摂取が多くなりがちです。 健康のためにも、減塩を心がけたいけど、おいしくなくては続きません。 そこで今回は無理なく自然に減らす調理のノウハウをご紹介します。

WHO(世界保健機関)は成人に対し、塩分摂取目標量1日5g未満を推奨しており、日本では、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020版)」によると、男性1日7.5g未満、女性1日6.5g未満(18歳以上)を目標としています。
血圧が高めの人は1日6g未満を目標量として設定されています。

【調味料の塩分を知る】

まずは普段使っている調味料の塩分がどれくらいなのかを把握しておきましょう。
■調味料小さじ1あたりの塩分量

※『八訂日本食品標準成分表』に準拠したデータをもとに計算ソフトを利用しています。

上記をみてわかるように、塩分は塩やしょうゆ、みそだけに含まれているものではありません。
例えば、サラダにフレンチドレッシングを大さじ1程かけていれば、およそ1gの塩分量になってしまうのです。
まずは、料理をする時にきちんと計量してみましょう。自分が1日にどれだけ塩分をとっているかざっとわかるはずです。
調味料をはかる習慣が身につけば、塩分量を意識することができ、摂り過ぎを防ぐことができます。

【特に汁物・スープは注意が必要!】

ラーメン等の麺類はスープを残すことで塩分をコントロールできますが、汁物やスープは高塩分になりがちです。だからといって調味料を減らすと味が薄くなり、物足りなさを感じしまいます。
塩分を上手に減らすには、うまみを補うことがポイントです。薄い出汁にいくら塩分を加えてもおいしくありません。逆に、濃い出汁でも塩分がなければおいしいと感じられません。でも、うまみが十分であれば、少しの塩分で味が決まり、おいしと感じられるのです。例えば味噌汁は、出汁を濃いめにとることも有効ですが、具沢山にすることでうまみがアップします。肉や魚、貝はもちろん、豆腐や油揚げなどもうまみが出るのでとても効果的です。このように複数の食材を煮込むと濃いうまみが出るので、みその量を抑えることができます。

【味は染み込ませず、表面につける!】

味はまんべんなく混ざっている状態より表面についていたり、まばらについている方が塩分を強く感じるという調理学のデータがあります。味を浸透させるおでんや煮豆よりも、しょうゆをつけて食べる刺身、外側にまぶした塩おにぎりの方が低塩分で塩分を感じられるのです。
そこで注目したいのが「あんかけ料理」です。素材は薄味にとどめ、あんを表面にからめることで塩味を強く感じることができます。塩分が高くなりがちな煮物は、素材を出汁と薄めの塩分で煮、仕上げにやや塩分を強くしたあんをかけるとよいでしょう。
調味料をもみ込んで作るから揚げも、下味にしっかり味をつけるのではなく、揚げてから塩を添えたり、たれをかけると減塩につながります。
その他、酢やかんきつ類(レモンやゆず、すだちなど)の果汁を活用したり、しそやねぎ、しょうが、にんにく、ハーブ類、カレー粉などの香辛料を使うことも効果的です。


いかがでしたか?
塩分を摂り過ぎたと感じたら、「カリウム」を摂ることも意識してみてください。
カリウムは体内の余分な塩分を体外に排出してくれます。ただ腎臓疾患の方はカリウム摂取を制限される場合があるので注意してくださいね。
おいしい減塩はちょっとした工夫でできます。
ぜひ、ご自身の塩分摂取量を計るところからはじめてみてください♪

Text by くまこ/食育インストラクター

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