「夏至」、「半夏生」とはどんな日?

「夏至」、「半夏生」とはどんな日?

二十四節気のひとつ「夏至」。皆さんは夏至がどんな日なのかご存知ですか? 今回は夏至のほか、関わりのある、「半夏生」についてもご紹介します。

【夏至、半夏生とは?】

夏至(げし)は、「1年で最も昼が長く、夜が短くなるころ」のことで、毎年6月21日前後にあたります。この日から日はどんどんと短くなっていきますが、気温は夏に向けてグンと上がり、本格的な夏が近づいてきます。
また、夏至から数えて約11日目からの5日間を、雑節のひとつ「半夏生(はんげしょう)」といいます。古くから半夏生は農作業をするのに大切な節目とされ、この日までに田植えを終わらせるという風習がありました。
ちなみに、今年(2025年)の夏至は6月21日、半夏生は7月1日からです。

【夏至、半夏生に食べられるものとは?】

夏至や半夏生に全国的に食べられているものはありませんが、地域によってこの日に食べるとよいとされている食べ物があります。

■タコ
関西の一部地域では半夏生のころに豊作を祈ってタコを食べる風習があります。これは、田に植えた稲がタコの足のように大地にしっかり根づくようにという願いが込められています。

■半夏生餅
奈良県や大阪府などで食べられています。半夏生餅は、つぶした小麦ともち米を混ぜて餅にし、きな粉を絡めたもので、「小麦餅」とも呼ばれています。
また、田植えが無事に終わったことを感謝し、田の神を天へ送る行事「早苗饗(さなぶり)」に食べられることから、「さなぶり餅」とも呼ばれています。

■サバ
半夏生の日に焼きサバを食べるという風習が福井県に伝わっています。この風習は江戸時代、田植えで疲れた農民の体を癒すため、当時の藩主が焼きサバを食べることを推奨したのがはじまりとされています。

■うどん
香川県では、田植えや麦刈りがひと段落する夏至から半夏生の日に、農作業を手伝ってくれた人たちにうどんを振るまうという風習がありました。
この半夏生が毎年7月2日ころにあたることから、さぬきうどん協同組合は、7月2日を「うどんの日」と制定しました。


夏至を過ぎると本格的な夏が近づいてきます。
古くから地域に伝わる、夏至、半夏生の食べ物をいただき、今年の夏も元気に過ごしましょう。

Text by まち/食育インストラクター

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