
かば焼きでおなじみのうなぎは、夏のスタミナ源としても人気です。市場に出回る天然うなぎは少なく、ほとんどが養殖うなぎで、国産だけでは足りずいまや台湾、中国、オーストラリアなどからも輸入しています。 生態については未だ謎だらけなうなぎ。今回はそんなうなぎについてご紹介します。
【ヌルヌルした体の秘密】
うなぎは体表から粘液を分泌しているのでヌルヌルしています。この粘膜のおかげで体を乾燥から守り、さらにエラ呼吸のほか皮膚呼吸もできるため、体表と地面が濡れていれば陸上でも生きることができるのです。ちなみにうなぎの血液には毒素がありますが、60℃以上で5分以上加熱すれば毒作用はなくなり、食べても全く問題ありません。
【土用の丑の日にうなぎを食べるのはなぜ?】
天然うなぎの旬は秋から初冬ですが、なぜ土用の丑の日にうなぎを食べるようになったのでしょうか?諸説ありますが、江戸時代、本草学者の平賀源内が夏に売り上げが落ちていたうなぎ屋さんに「本日土用の丑の日」という看板を出させたところ、大繁盛した説が有力です。
その後、他のうなぎ屋も真似するようになり、夏の土用の丑の日にうなぎを食べることが定着したようです。
【土用の丑の日とは?】
「土用」とは、季節の変わり目である立春・立夏・立秋・立冬の直前約18日間のことで、「丑の日」とは、日にちを十二支で数えた時、「丑」と重なる日のことです。「土用の丑の日」は一般的に夏の土用にある丑の日のことを指し、2025年の夏の土用の丑の日は7月19日と7月31日です。
【うなぎにはどんな栄養があるの?】
うなぎには良質なたんぱく質をはじめ、ビタミンA・B1・B2・E・D、カルシウム、鉄など夏バテや食欲不振の改善に役立つ栄養素が豊富に含まれています。特にビタミンAの含有量は魚類の中でもトップクラスで、目の機能や皮膚・粘膜の健康を保つほか、強い抗酸化作用を持ち、免疫力を高める効果が期待できます。
その他、うなぎの脂質には不飽和脂肪酸であるDHAやIPA(EPA)が多く含まれ、血管をしなやかにして血流改善に役立ちます。
いかがでしたか?
かば焼きをはじめ、ひつまぶしやう巻きなど様々な料理で楽しめるうなぎ。
高級食材なので、頻繁には食べられませんが、土用の丑の日や夏バテ気味の時にはぜひ召し上がってください♪
Text by くまこ/食育インストラクター
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