塩分との上手な付き合い方

塩分との上手な付き合い方

お弁当やお惣菜・外食などが続くと気になるのが、エネルギーと塩分! 今回は、ついつい摂り過ぎてしまいがちな“塩分”についてのお話です。

【「ナトリウム」と「塩分」の違いとは?】

以前は、食品の外装やパッケージに表記されている成分表示は、「ナトリウム」として記載されていました。しかし、平成27年4月に『食品表示法』という新しい食品表示制度が施行されたことにより、義務表示である「ナトリウム」は「食塩相当量」で表示されることになりました。(ただし、食塩を添加していない食品では、ナトリウム量と食塩相当量を併記することが認められています。)
ナトリウムと塩分。実はこの2つ、厳密には別の物質なのです。
ナトリウムはアルカリ金属元素のひとつで、塩に含まれる成分の一部。つまり、「ナトリウム量」=「食塩相当量」ではありません。
それに対し塩分は、一般的に食塩のことを指します。主成分は「ナトリウム」と「塩素」が結合した「塩化ナトリウム」です。

ナトリウム量から食塩相当量を導き出すには、ある計算が必要になります。その計算式がこちら!

ナトリウム量(mg)×2.54÷1000=食塩相当量(g)

この2.54という数字は、ナトリウムと塩素の原子量を合わせた食塩の分子量58.443をナトリウムの原子量22.98977で割った値になります。この計算から、ナトリウム1gは2.54gの食塩に相当することになり、このような換算式が生まれました。
例えば、成分表示の欄でナトリウムが500mgと表記されていた場合、
食塩相当量は500(mg)×2.54÷1000=1.27(g) となります。
算数の公式のように覚えておけば、すぐ計算が出来て便利ですよ☆

【1日の食塩摂取量の目安】

食塩摂取量は年々見直されています。厚生労働省が公表している「日本人の食事摂取基準」の中で、成人1日あたりの食塩摂取量の目標値は、
2010年版:男性→9g未満、女性→7.5g未満となっていましたが、
2015年版:男性→8g未満、女性→7g未満
2020年版:男性→7.5g未満、女性→6.5g未満
というように、より厳しく改訂しています。

過度な塩分摂取は、むくみや高血圧のほか、腎臓や心臓に負担がかかり様々な病気を引き起こす可能性があります。

塩味は、料理の美味しさを左右するひとつのエッセンスでもあります。減塩は良いことですが、美味しくなければ食事を楽しむことはできません。
調理の際は、旨味が豊富な出汁を効かせる、風味豊かなハーブや香辛料・生姜やねぎなどの香味野菜を使用する、酢や牛乳を加えるなどのひと工夫で、美味しく食べながら減塩することができます。

ぜひ、ご家庭でもお試しください☆

Text by ろい/食育インストラクター

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