気をつけよう!食中毒!!

気をつけよう!食中毒!!

近年増えている食物アレルギーは食べ物が原因で起こる疾病のひとつですが、それ以上に身近なのが「食中毒」です。 今回は食中毒の原因や、起こりやすい時期・予防についてご紹介します。

【食中毒とは】 

食中毒は、私たちが有毒・有害な微生物や化学物質などを含んだ食べ物や飲み物をとる事によって起こります。細菌やウイルスを介して起こる食中毒のほか、自然毒や化学物質・寄生虫などが原因となる事もあります。

【原因別食中毒】

食中毒は原因が様々で、年間を通して発生しています。

〇細菌
細菌性食中毒は、食品などが腐敗しやすい暑い時期に発生件数が増えます
原因菌は、病原性大腸菌(O-157・O-26・O-111など)・カンピロバクター・リステリア・サルモネラ・腸炎ビブリオ・ウェルシュ菌・ボツリヌス菌・黄色ブドウ球菌などで、様々な食べ物から検出されています。

〇ウイルス
ウイルス性食中毒のほとんどがノロウイルスによるもので、寒い時期に発生件数が増えます。ノロウイルス以外ではE型およびA型肝炎ウイルスが挙げられます。日本でウイルスが食中毒の原因物質に加えられたのは平成10年(1998年)と比較的最近です。

〇自然毒
自然毒は動物性植物性に分けられます。動物性はフグのテトロドトキシン二枚貝・巻貝に蓄積した毒素による食中毒が代表的です。植物性では食用と酷似した毒キノコ毒性植物を食べた事による事例が挙げられます。

〇化学物質
代表的な物にヒスタミンによる食中毒が挙げられます。食物アレルギーと似た症状が出るため混同されがちですが、こちらはアレルギー様の食中毒に分類されています。原因食品はヒスチジンというアミノ酸を多く含む赤身魚やその加工品がほとんどですが、海外では鶏肉やハムやチーズが原因となった事例もあります。ヒスタミン産生菌が出す酵素の働きでヒスチジンがヒスタミンに変化し、人間が多量に摂る事で起こります。ヒスタミンは一度作られると加熱しても減る事はありませんので、食材を購入したら出来るだけ早く食べましょう。

〇寄生虫
魚などの生食が多い日本ではアニサキスによる食中毒が多いです。サバやアジ・カツオ・サンマ・イワシ・サケ・イカなどの魚介類に寄生し、加熱や処理が不十分な状態で食べた事により起こります。
また最近はジビエ料理が流行っていますが、野生動物の肉などをきちんと加熱せずに食べた事で起こる食中毒も増えています。

【食中毒予防の三原則 「つけない!」・「増やさない!」・「やっつける!」】

食材を触る前後、そして食事をする前の手洗い習慣を徹底し、原因菌などをつけない!
適切に調理しても食べるまでの保存状況が悪いと原因菌などが増殖する要因となるので、「作ったらすぐ食べる」・「残ったものは冷蔵庫などにすぐ入れ、食べる時は十分再加熱」して増やさない!多くの原因菌などは熱に弱いので、食材は中までしっかり加熱してやっつける!

これらを基本として、衛生的に調理や食事をして下さいね。

Text by さゆり/食育インストラクター
 

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