料理に欠かせない「しょうゆ」について

料理に欠かせない「しょうゆ」について

私たち日本人の食卓に欠かせない「しょうゆ」。今では世界中で愛されている調味料と言えるでしょう。今回は身近にありつつも意外と知らない?しょうゆのルーツと調理効果についてのお話です。

【しょうゆのルーツは中国の「醤(ジャン)」?】

しょうゆの誕生には諸説あり、はっきりしたことは分かっていませんが、古代中国の「醤(ジャン)」が日本に伝わり、「醤(ひしお)」となったという説が広く知られています。
「醤」はもともと食材を塩漬けにして保存したもので、肉や魚を発酵させた「肉醤(ししびしお)」、野菜を発酵させた「草醤(くさびしお)」、穀物や豆類を発酵させた「穀醤(こくびしお)」などがあり、しょうゆは「穀醤」が進化したものだと考えられています。
その後、鎌倉時代の禅僧が中国から持ち帰った径山寺(きんざんじ)味噌を近所の人に教えているうちに、その味噌の上澄み液がとても美味しいことに気づき、そこから現在の「たまりしょうゆ」に近いものが作られたと言われています。
江戸時代になるとしょうゆの生産が本格化し、「濃口しょうゆ」や「淡口しょうゆ」なども生産されて行き、今では世界100か国以上で使われるほどになっています。

【しょうゆの調理効果】

●消臭効果
しょうゆには、肉や魚の生臭いにおいを消す効果があります。これは、臭みの原因物質をしょうゆが中和してくれるからです。日本料理の下ごしらえ「しょうゆ洗い」はこの効果を利用したものです。

●加熱効果
しょうゆは加熱されると、食欲をそそる香ばしさと照りが生まれます。これは、しょうゆに含まれるアミノ酸とみりんや砂糖などの糖分がメイラード反応を起こすからです。この効果を利用したものの代表が、照り焼きです。

●対比効果
しょうゆには食材や料理のもつ、甘みを引き立たせる効果(対比効果)があります。煮豆など、甘い煮物の仕上げにしょうゆを少し加えるのは、これの効果を利用しているからです。


現在では、日本各地でさまざまなしょうゆが作られています。
スーパーなどでもいろいろな地域のしょうゆが売られているので、自分好みのものを見つけてみるのも楽しいですね。 

Text by まち/食育インストラクター
 

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