飲むだけではない、料理にも欠かせない「酒」の話。

飲むだけではない、料理にも欠かせない「酒」の話。

お酒と言っても種類は多く、ビールやワイン、焼酎、ウイスキーなどさまざまです。 今回は日本の伝統的な酒であり、和洋中どの料理とも相性のよい「清酒」の歴史と調理効果をご紹介します。

【清酒の歴史】

清酒は、原料の米を米麹に含まれる酵素によって糖に変え、その糖を酵母の力でアルコールに変化させて作られています
起源ははっきりと分かっていませんが、稲作の定着した弥生時代に酒づくりの技術が伝わったのではないかと言われています。麹を使った酒づくりが始まったのは、奈良時代のこと。そのときは、貴重な米から作られる特別な飲み物とされていましたが、江戸時代になると、調味料として広く利用されるようになりました。

【酒の調理効果】

●コクやうま味を出す
米のでんぷんを酵母の力でアルコール発酵させる過程で、アミノ酸や有機酸などのうま味成分が生まれます。これらが料理にコクやうま味、そして豊かな風味を与えます
日本料理の調理法のひとつに「煮切り酒」があります。これは酒を火にかけてアルコールを飛ばし、うま味や風味だけを残す方法で、素材の味をよりいかしてくれます。

●素材の臭みを取る
魚と酒を一緒に加熱すると、アルコールの蒸発とともに魚の生臭さの成分であるトリメチルアミンも蒸発するので、臭みを取り除くことが出来ます。
酒に含まれる香気成分も臭み消しに役立ち、魚だけでなく肉の臭み消しにも効果があります。

●素材をやわらかくする
酒に含まれるアルコールには、水分を抱え込む保湿性があり、肉や魚などを加熱するときに加えると、身がかたくなるのを防ぎ、ふっくらやわらかく仕上がります。一方で温度の高い表面部分では、たんぱく質が熱でかたまるのを促す働きがあり、煮物や焼き物にも効果的です。


お酒は飲んでおいしいだけでなく、料理に上手に活用することで、いつもの料理がワンランクアップしますよ。

Text by まち/食育インストラクター
 

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