昔は薬として使われていた!?最古の調味料「酢」について

昔は薬として使われていた!?最古の調味料「酢」について

世界中で愛され、穀物や果物を原料にさまざまな種類が作られている「酢」。 今回は、酢のルーツと調理効果についてのお話です。

【人類が作った最古の調味料!?「酢」のルーツ】

酢は、人類が作った最古の調味料とも言われるほどその起源は古く、紀元前5000年ごろにはすでに作られていたと記録されています。
古来より体によいものと伝えられ、医学の祖、「ヒポクラテス」は酢の抗菌作用に注目し、病み上がりの人に酢をとるように勧めていたそうです。さらに、中国の周の時代には、薬として用いられていたと言われています。
日本には、4~5世紀ごろに中国から伝わり、奈良時代に盛んに作られるようになりました。調理用として使われるようになったのは、鎌倉時代以降になってからでした。

【酢の調理効果】

●減塩効果
健康のために料理の塩分を控えようとすると、味がぼんやりとし、なんだか物足りない味になってしまうことも。そんなとき、料理に少量の酢を加えると、塩の味が引き立ち、塩味を感じやすくなります。

●発づけ作用、色止め効果
酢の主成分である酢酸は、食材の成分や色素と化学反応を起こし、色づけ、色止め効果を発揮します。ごぼうやれんこんは切ったあとに酢水につけることで、変色を防ぎ白さを保てます。また、しょうがやみょうがは、酢につけると鮮やかな紅色にかわります。

●肉や魚、骨をやわらかくする効果
酢は長時間加熱すると食材のたんぱく質を分解し、やわらかくする効果があります。そのため、肉や魚を煮込む料理に酢を加えると、やわらかく仕上げることが出来ます。またカルシウムを溶かす性質もあるので、小魚の骨もやわらかくなり、骨までおいしくいただけます。

●抗菌、防腐効果
酢に含まれる酢酸には、抗菌、防腐作用があり、食材の保存に役立ちます。この効果を利用したのが、「ピクルス」やしめさばのような「魚の酢じめ」などです。そのほか、ごはんを炊くときにほんの少し酢を加えると、ごはんが腐りにくくなります。


調理効果だけでなく、疲労回復や生活習慣病予防など、健康面でも嬉しい効果が期待できるお酢。普段の料理にぜひ、活用してみてください。

Text by まち/食育インストラクター
 

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