この料理はどこの生まれ?郷土料理をご紹介!じゃがいも餅編

この料理はどこの生まれ?郷土料理をご紹介!じゃがいも餅編

郷土料理の起源や逸話についてご紹介するシリーズ。 今回のテーマは北海道を代表する作物のじゃがいもで作る、子どものおやつや居酒屋でおなじみのじゃがいも餅です。

【北海道開拓の大事な存在「じゃがいも」】

北海道の開拓が始まった明治時代。当時の稲は寒冷地の北海道ではうまく育ちませんでした。そのため、開拓使は米に替わる主食として、寒さに強いじゃがいも栽培を奨励し、北海道でのじゃがいも作りが始まりました
栄養素を見ても、じゃがいもは北海道開拓に大事な存在だったことがわかります。
じゃがいもは免疫力維持や、新しい皮膚をつくるのに欠かせないビタミンCが豊富です。じゃがいもはでんぷん質が多く、加熱してもビタミンCが壊れにくいのが特徴です。また、塩分の排出や血圧を安定化させるカリウムも多く含んでいます。
これらの栄養素は生野菜や果物に多いのですが、冬が長く、雪の多い北海道では、冬場に生野菜や果物を食べるのは難しいことです。じゃがいもは主食として、そして野菜の代わりとしての役割も担っていたと考えられます。

【「じゃがいも餅」はどんなもの?】

じゃがいもから作るじゃがいも餅は、米の少ない開拓時代にお餅の代用品として考え出されたとされます。
蒸して潰したじゃがいもに片栗粉や小麦粉などを入れ、良く混ぜて練り上げ、モチっと柔らかな食感に仕上げます。
地域によっては「いもだんご」とも呼ばれることがあります。名前によって作り方や材料が違うということはなく(※一部では焼いたものを餅・汁物に入れるとだんごと分けて呼ぶケースがあるようです)、どちらにしても人々のお腹を満たし、親しまれ、今では北海道の代表的な郷土料理になりました。

【「じゃがいも餅」はアレンジ自在!】

おやつやおつまみとして食べられていることが多いじゃがいも餅ですが、とてもシンプルな作り方なので、アレンジが自由自在なのも魅力の一品です。
コーンやチーズ・ウインナーなどを入れたり、たれをみたらしや味噌からケチャップベースで洋風に変えたりなど、アイデア次第でいつでも楽しめます。

じゃがいもは保存性が非常に高く、通年安定して流通しているので、食べたい時に美味しく簡単に作れる料理の一つとして、作り方を覚えておいて、自分だけのベストな味のじゃがいも餅を追求してみるのも面白いですよ☆
ぜひお試しください!

Text by はむこ/食育インストラクター
 

関連レシピ

カテゴリ