知っておきたい!お盆と精進料理

知っておきたい!お盆と精進料理

夏になるとお盆休みをとり、家族みんなで帰省する人も多いのではないでしょうか。 「お盆」という言葉はよく耳にしますが、この日が何の日なのかご存知ですか?今回は、お盆と精進料理についてのお話です。

【そもそもお盆っていったい何の日なの?】

仏教の行事のひとつで、正式には「盂蘭盆会(うらぼんえ)」と言い、ご先祖様の霊を家に迎え、供養し、その冥福を祈る期間です。この期間は、亡くなったご先祖様が天国から地上に戻ってくると言われています。
現在、一般的にお盆と呼ばれているのは、8月13日~16日の4日間です。しかし、地域によっては7月13日~16日にお盆を迎える所もあります。13日のお盆の入りに、ご先祖様の霊を招くために迎え火を焚き、あの世へ帰られる16日に送り火を焚いて送り出します

【お盆に精進料理を供えるのはなぜ?】

仏教の教えのひとつである「五戒」のなかで、生き物の殺生は禁じられています。そのことから、お盆の間はごた先祖様や生きてき動物を供養し、感謝する意味も込めて、「精進料理」を供えるようになりました。現在ではお盆に精進料理を食べるという人は少ないと思いますが、昔はお盆の期間中、家族も精進料理を食べていたようです。

【精進料理とは?】

精進料理とは、一般的に肉や魚を使わずに、豆や野菜、海藻、果物などを用いて作られた料理のことで、「五味・五色・五法」の考えによって成り立っています。
五味は、「甘・酸・鹹(かん※塩辛い)・辛・苦」の5つの味のことです。五色は、「赤・青(緑)・黄・黒・白」で料理の見ためや、食材の色を指します。五法は、「生、煮る、焼く、揚げる、蒸す」の基本となる調理法を指しています。
これは、食材本来の持ち味を損なうことなく、「味付け・盛り付け・調理法」でより素材をいかす料理法といえます。

【精進料理で使ってはいけない野菜】

精進料理では「五辛(ごしん)五葷(ごくん)」と呼ばれる食材の使用が禁じられています。五辛は辛味のある野菜、五葷は臭みのある野菜を意味し、「にら・ねぎ・玉ねぎ・にんにく・らっきょう」がこれにあたります。


お盆はご先祖様が帰ってこられる大切な期間です。
イチからすべて精進料理を作るのは大変ですが、市販のお総菜なども活用し、今年のお盆は精進料理を作ってみてはいかがでしょうか。

Text by まち/食育インストラクター
 

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