
ぶどうの品種はとても多く、世界には1万種以上もあると言われています。 日本では生食が主ですが、国外では主にワインやレーズンなどの原料となっています。 旬の今の時期なら、家族や友達とぶどう狩りが楽しめそうですね。 今回はそんなぶどうの歴史や栄養についてご紹介します。
【歴史】
古代エジプトの壁画にも描かれていたようにぶどうは世界でも古くから栽培されていました。日本へは奈良時代に中国から伝わったようです。栽培は明治時代から本格的に始まり、乾燥を好むワイン用品種の欧州系を導入しましたが、日本の風土に合わず、北米系から導入したデラウェアなど生食用の品種が根付くようになりました。
昭和までは、デラウェアとキャンベル・アーリーが人気でしたが、平成の最高出荷品種は交雑系の巨峰、令和になると交雑系のシャインマスカットに置き換わりました。
【ぶどうの栄養は?】
果糖やブドウ糖などの糖類をはじめ、ビタミン、ミネラル、食物繊維を含んでいます。特に果糖やブドウ糖は体内への吸収がとても早く、すぐにエネルギーに変換されるため、疲労回復効果が期待できます。ちなみに、干しぶどうになるとミネラル分が増え、鉄は約11倍、マグネシウムは約5倍、カルシウムは約10倍にもなります。
その他、皮や種にはポリフェノールの一種アントシアニンやタンニン、レスベラトロールなどが豊富です。
アントシアニンは視覚機能を改善する効果があり、タンニンは美白効果や肌を引き締める効果が期待できます。レスベラトロールは、老化予防が期待される成分として注目されており、サプリメントやエイジングケア化粧品にも使われています。ポリフェノールは皮に多く含まれているので、皮ごと食べられるぶどうを選ぶとよいでしょう。
【ぶどうの皮についている白い粉はなに?】
この白い粉は「ブルーム」と呼ばれている成分です。ぶどう自身が水分の蒸発を防いだり、病原菌などから身を守るために作り出しています。また、「オレアノール酸」が含まれることが明らかになっていて、虫歯予防やアンチエイジングに効果が期待できます。【選び方のポイント】
軸が緑色で太く、切り口が新しいものを選びましょう。色が濃く、表面にハリがあって粒が揃っているもの、「ブルーム」がついているものが新鮮です。【保存法は?】
洗わずにキッチンペーパーで包み、ビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室で2~3日程度保存が可能です。ただし、風味が落ちるのでできるだけ早く食べましょう。ぶどうは上側の粒のほうが甘味が強いので、ぶどうの下側から上側に向かって食べると甘味が増し続けて最後までおいしく食べられます。
いかがでしたか?
種なしぶどうや皮ごと食べられるぶどうなど種類は様々。
ぜひこれを機会に自分好みのぶどうを探してみてください。
Text by くまこ/食育インストラクター
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