香りがたまらない、にらの魅力

香りがたまらない、にらの魅力

にらは古くから日本で食べられている野菜のひとつで、万葉集の中にも、にらについて詠んだ句があります。

【アジアで広く使われている「にら」】

原産地ははっきりしていませんが、東アジアが有力だと考えられています。
アジアで広く栽培されていたので、中国・韓国・ベトナムなど、多くの国の料理に登場します。
日本でも栽培はされていたものの、においが強いこともあって薬草や薬味のように扱われていることが多く、現在のように一般的な野菜として定着したのは、戦後になって中華料理の焼餃子などが人気になってからでした。

【にらの栄養】

にらは緑黄色野菜で、抗酸化ビタミンのβ‐カロテンが豊富に含まれています。皮膚や粘膜の健康維持に効果があり、風邪予防に役立ちます。
また、ネギ類と同じく、ビタミンB1の吸収を高めるアリシンを多く含むため、糖質の代謝を高める効果が期待でき、疲労回復や、運動後のエネルギー補給を素早く行います。ビタミンB1が豊富な豚肉とは相性抜群なので、一緒に調理すると効率的です。アリシンはにらの香りのもとになる成分で、にらの根元に多く含まれるので、根元も捨てずに調理しましょう。

そんなにらですが、誤食による食中毒の報告例もあります。ユリ科のイヌサフランやスイセンなどの有毒草の葉がにらとよく似ているので、間違えて食べてしまうことが原因です。一般市場で購入したにらを食べて食中毒を起こすことはまずありませんが、自家菜園などをされている場合や、小さなお子さんのいる家庭では覚えておきたい知識ですね。

にらそのものは安全で栄養価の高い野菜ですが、アリシンは刺激がある成分なので、多食すると体調不良を招くことがあります。
体調がすぐれないと感じるときや、お腹の調子が良くないときなどは控えた方がよいでしょう。

Text by はむこ/食育インストラクター

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