秋の味覚の代表格が獲れない?さんまのお話

秋の味覚の代表格が獲れない?さんまのお話

今年も食欲の秋がやってきました!秋が旬の食べ物の代表格といえば、さんまです。 しかし、近年はさんまというと、残念なニュースを耳にする機会が増えています。 今回はそんなさんまを巡るあれこれについてのお話です。

【なぜ、漁獲量が減っているの?】

さんまの漁獲量は年々下がっており、この4年間は毎年過去最低記録を更新し続けています。2023年3月には、日本を含めた9カ国間の協議で北太平洋でのさんまの漁獲量の上限を25%減にすることが合意され、深刻な状態にあることがうかがえます。
そして、水産庁の公表(令和5年・4月)によると、さんまの不良の原因として、海水温の上昇などを含めた海洋環境の複合的な変化により、さんまの分布が沖合に移動していることが挙げられています。
これらのことから、さんまの漁獲量は今後も減る可能性が高いとみられているのです。

【栄養豊富なさんま】

さんまの脂には不飽和脂肪酸のDHA・IPA(EPA)が豊富で、血栓の予防に役立ってくれるので、生活習慣病が気になる方にはぴったりです。
秋のさんまは、脂のノリが良いので、不飽和脂肪酸もたっぷり含まれています(※その分、エネルギーが高めなのでほどほどにしましょう)。
そのほか、造血のビタミンと呼ばれるビタミンB12も多く、貧血予防にも役立つなど、栄養豊富なさんまは美味しいだけではなく健康にも良い面がたくさんある魚です。
不漁が続き、価格が高騰しているので、毎日のように食べられる機会が減っていますが、できることなら美味しい時期に食べたいですよね。


さんまをめぐる環境は現在も変化し、調査が続けられています。
海洋の問題は世界規模の取り組みが必要なので、一人一人ができることはわずかですが、関心を持つ人が増えることが大切です。
秋の味覚を守るためにも、今後も動向を注目していきたいですね。

Text by はむこ/食育インストラクター
 

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