
夏野菜の代表的な存在、きゅうり。ハウス栽培も盛んで、日本全国どんな季節でも手に入れやすい野菜の一つですが、夏に食べるきゅうりは特別な美味しさがありますよね。 今回はきゅうりの豆知識と生食の注意点についてお話します!
【きゅうりの歴史】
きゅうりが日本に渡ってきた時期については諸説ありますが、10世紀ごろには渡来していたとされています。しかし、現在のきゅうりよりもアクや苦みがずっと強く、あまり好ましい味ではなかったそうです。当時の日本では、すでに冬瓜やまくわうりなどの食べやすいウリ科の野菜があるので、長期保存ができずアクの強いきゅうりが一般化しなかったのも納得できます。現在のきゅうりに近い品種が渡来したのが江戸末期から明治時代にかけて。
それ以降は日本国内でも品種改良が進み、戦後にビニールハウスが普及してからは年間を通して栽培される野菜になりました。
【きゅうりをおいしく、安心に食べるには】
きゅうりは野菜の中でトップクラスのカロリーが少ない野菜として、ギネスブックに登録されたこともあるほどヘルシー。水分が多く、汗で失われるカリウムなどのミネラルを豊富に含むことから、夏の暑い時期にいただくにはぴったりの野菜です。そして、歯触りが良く、苦みやえぐみが少ないので、生食しても美味しく食べられるのも嬉しいポイントです。
ただし、生食できるといっても、購入したきゅうりをそのまま食べるのはNGです。きゅうりの表面には目に見えない細菌が付着していて、洗浄をほとんどせずに食べると食中毒のリスクがあるからです。
きゅうりの表面は凸凹があるので、流水で軽くすすぐだけでは細菌を落としきれないことがあります。きゅうりを生食する時は、流水でしっかり洗い、塩もみをしたり、野菜を洗う専用のスポンジを用意してきちんと洗浄しましょう。
また、シニア世代や子ども・免疫力の低い方などが召し上がる場合は、流水だけでの洗浄では不安が残ります。熱湯で10秒茹でてから冷水に30秒浸けるブランチング処理をしたものなら、食感を損なわずに表面の殺菌ができます。生食する場合はもちろん、浅漬けなどに加工する時にも覚えておきたい方法です。
夏はきゅうりの旬なので、価格も手ごろになります。
そのため、食卓に登場する機会も多くなりますよね。安全に美味しく食べる方法をぜひ覚えておきましょう!
Text by はむこ/食育インストラクター
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