定番ながらも高級魚の代表格!?マグロを巡るあれこれ

定番ながらも高級魚の代表格!?マグロを巡るあれこれ

海洋大国の日本。近年は食の洋食化などに伴い、魚の消費量が減少傾向にありますが、それでも1人当たりの魚の消費量は世界でもトップクラスです。 今回はそんな日本人が愛してやまない魚、マグロについてのお話です。

【マグロの歴史】

日本とマグロの縁は深く、縄文時代の貝塚からマグロの骨が出土されていることから、かなり古くからマグロを食べていたことがわかっています。
古事記や日本書紀でもマグロのことが書かれており、当時はシビと呼ばれていました。
しかし、その扱いは今のような高級魚ではなかったようです。赤身の魚であるマグロは鮮度が落ちるのが早く、現代のような冷凍・冷蔵ができない時代に美味しく食べることが難しかったからです。
美味しいマグロを味わえるようになったのは、歴史の中でもつい最近のことなのですね。

【マグロと環境】

新鮮なマグロを食べられるようになり、現代では大人気となったマグロですが、獲りすぎによる環境への影響が懸念されています。
マグロは大型の回遊魚で世界中を泳ぎ回っているので、生体数と漁獲量のバランスが取れるように、世界規模での協議と規制が長年続けられているのです。
例えば、日本では漁獲量の管理のため、2024年から個人でのクロマグロの漁獲についての報告義務を強化しています。また、月ごとに遊漁採捕量が決められ、それを越える可能性があればその月の採捕そのものを禁止する場合があります。このほかにも様々な項目があるので、仕事ではなく個人で海釣りを趣味にする人であっても、注意するポイントが多い魚です。
ちなみに、この漁獲数は回遊している「天然もの」に対する取り決めなので、養殖魚であれば漁獲数に数えられることはありません。以前は大型魚であるマグロの養殖は難しいと言われていました。しかし、長年の研究・技術開発により、現代はマグロの完全養殖も可能になり、流通も進みつつあります。

【マグロに含まれる栄養】

マグロは美味しいだけではなく、栄養価も優れている食品です。
良質なたんぱく質を含み、赤身の部分は鉄やビタミンB12などの造血に関わる栄養素が豊富です。また、トロの部分はDHA・IPA(EPA)などの不飽和脂肪酸が多くコレステロール値を安定させるので、どの部位にも栄養面での長所があります。


日本人にとってなくてはならない魚の一つと言えるマグロ。
だからこそ、今後もマグロを取り巻く最新情報をチェックしておくとよいかもしれませんよ。

Text by はむこ/食育インストラクター

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