比較的安価で手に入りやすいキャベツはご家庭の冷蔵庫に必ずと言って良いほど入っている野菜ではないでしょうか。 今回は、価格はもちろん体に嬉しい効果がいっぱいのキャベツについてご紹介します。
【世界最古の野菜のひとつ】
キャベツはヨーロッパ原産のアブラナ科の野菜で、古くは古代ギリシャやローマ時代から食用とされていました。初期のキャベツは今のような結球状ではなく、ケールのようにまっすぐの葉でしたが、栽培を重ねていく過程で次第に丸みを帯びていきました。日本へは江戸時代に長崎に渡来したオランダ人によってもたらされましたが、当初は食用ではなく観賞目的の栽培が主でした。食用としては明治初期に現在のような結球タイプが持ち込まれたことで普及し、各地で栽培が始まりました。
【キャベツの旬】
通年出回っているキャベツですが、3~5月が旬の「春キャベツ」と1~3月が旬の「冬キャベツ」が特に美味しい時期です。これに加えて、群馬県や長野県などの高原地帯で冬系キャベツを早蒔きし、7~8月に収穫と旬を迎える「高原キャベツ」を「夏キャベツ(夏秋とする場合も)」として年間3回の旬とする場合もあります。春キャベツは葉の巻きがゆるいので見た目より軽く、食感もやわらかで生食に適しています。冬キャベツは寒い季節に育つため甘みがあり、葉の巻きがみっちりとし重量感があります。高原キャベツも冷涼地で育つため、冬キャベツと似た特徴があります。
【栄養】
キャベツには「キャベジン」の呼称で有名なビタミンU(塩化メチルメチオニンスルホニウム)が含まれます。このビタミンUはキャベツから発見されたビタミンで、傷ついた組織を修復する効果があり、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の予防・改善が期待出来ます。ビタミンUは熱に弱いので、摂取したい場合は生食がおすすめです。その他の栄養としては、コラーゲンの生成をはじめ、皮膚や血管を丈夫にしたり、風邪予防に効果的なビタミンCが豊富です。また、体内のナトリウム量を調整して血圧の上昇などを抑制するカリウム、骨や歯を丈夫にするカルシウムやビタミンKも含みます。
いかがでしたか。
キャベツはジャンルを問わず、どのような料理とも相性が良いので、様々な調理法を試してみて下さい。
Text by さゆり/食育インストラクター
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