春を代表する食材「筍(たけのこ)」

春を代表する食材「筍(たけのこ)」

筍は、地中で横に伸びた竹の地下茎から出てくる若い芽の部分。土からひょっこり顔を出したその姿は、春の訪れを感じさせてくれます。

一般的に筍というと、「孟宗竹(もうそうちく)」を指します。孟宗竹は中国が原産で、日本には江戸時代の中期ごろに伝わり、広く食べられるようになりました。現在では、淡竹(はちく)、真竹(まだけ)、根曲がりだけなど、10種類以上の筍が作られています。

【筍は鮮度が命!】

購入するときは、穂先が黄色もしくは薄黄緑色のもの、切り口が白く瑞々しいものを選びましょう。また、ずんぐりとしていて持ったときに重みのあるものが良品とされています。
掘り立ては生でも食べられますが、時間が経ち空気に触れる時間が長くなればなるほど、独特のえぐみが増していきます。さらに、味も落ち、かたくなってしまうので購入したらすぐに下茹ですることが大切です。

【筍の下茹で方法】

1.皮付きのまま筍をよく洗い、根元のかたいイボイボをそぎ落とす。
2.穂先の部分を斜めに切り落とし、皮の部分に縦に1本切り込みを入れる。
3.鍋に筍とひたひたの水を入れ、米ぬか(または米のとぎ汁)一つかみと赤唐辛子1~2本を入れて火にかける。(米ぬかを入れることで、えぐみを取り除きます)
4.沸騰したら弱火にし、落とし蓋をして根元に竹串がスッと刺さるまで茹でる。
5.火を止め、茹で汁の中でそのまま自然に冷ます。(冷ましている間にもアクが抜けてゆきます)
6.冷めたら水で洗ってぬかを落とし、皮をむく。

下茹でしたら密閉できる容器に入れて水に浸し、冷蔵庫で保存します。ときどき水を入れ替えれば、1週間程度日持ちします。
先端のやわらかい部分(姫皮)はお浸しや和え物などに、真ん中はアクが強いので、煮物や炒め物、揚げ物に向いています。根元は繊維が多いので、繊維を断ち切るように切って煮物や炊き込みごはんに使うのがおすすめです。

【筍を食べておなかすっきり!】

筍には「セルロース」と呼ばれる不溶性食物繊維が含まれています。不溶性食物繊維は水に溶けませんが水分を吸収し大きくふくらむため、腸を刺激し、便秘の予防・改善や大腸がん予防に期待できます。
そのほか、余分なナトリウムの排泄を促す「カリウム」を多く含み、高血圧予防やむくみ改善に働きます。
さらに効果を期待したいなら、わかめやこんにゃくなど食物繊維の多い食材と組み合わせるのがおすすめ。わかめを組み合わせて「若竹煮」にしたり、こんにゃくと一緒に「おかか炒め」にしたりと、おいしく組み合わせておなかをすっきりさせましょう!


水煮のたけのこは1年中出回っていますが、生のたけのこは今の季節にしか味わえない味覚です。味にクセがないので、どんな料理とも相性抜群!さまざまな料理で旬のたけのこを楽しんでみてはいかがですか?

Text by まち/食育インストラクター
 

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