知っていますか?「寒天」と「ゼラチン」の違い

知っていますか?「寒天」と「ゼラチン」の違い

寒天とゼラチン、どちらも料理をかためるときに使われることが多い食品ですが、どのような違いがあるのかご存知ですか?

【寒天の原料と起源】

寒天は原料である「テングサ」や「オゴ草(オゴノリ)」などの海藻類を煮溶かし、凍結乾燥させたものです。
寒天とよく似た「ところてん」は中国から仏教が伝わった538年ごろに、作り方が伝えられたと言われています。寒天は、そのところてんを保存しているときに偶然誕生した日本オリジナルの食材です。

【ゼラチンの原料と起源】

ゼラチンは牛や豚の骨や皮に含まれているコラーゲンから作られています。
今のように食品として扱われるのはそれほど昔のことではありませんが、起源は古く、古代エジプトのニカワ製造がはじまりと言われています。(※ニカワとはゼラチンと同じ原料から抽出された天然の接着剤です。)しばらくは工業的な用途で使われていましたが、1800年代に入ると、食用のゼラチンが生産されるようになりました。

【寒天とゼラチンの違いとは?】

寒天は歯切れがよく、ツルンとした食感が特徴で、棒寒天や糸寒天、粉寒天などがあります。凝固力がゼラチンよりも強く、加熱したあとは常温でかたまり、一度かたまると常温でも溶けにくい性質を持っています。溶かすと白く濁った色をしているので、透明感を出したい料理には向いていません。用途としては、水ようかんや杏仁豆腐などによく使われています。
ゼラチンは口どけがよく、やわらかい食感が特徴で、板ゼラチンや粉ゼラチンなどがあります。弾力と粘性が強く、ゼリーやムース、ババロアなどを作るときによく使われます。加熱したあとは20℃以下でかたまります。寒天とは違い、常温に置くと溶けてしまうので注意が必要です。


違いを覚えておくと、料理の幅が広がります。
料理に合わせて寒天とゼラチンを使い分けてみてくださいね。

Text by まち/食育インストラクター
 

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