
食育の三本柱に数えられる「食料問題や環境問題を考える」に関わるものに食品ロスがあります。 実は、家庭から廃棄している食品には、期限切れや余り物の直接廃棄の他に、野菜の皮を剥きすぎるなどの過剰除去によるロスがあります。 今回は秋冬の旬の野菜で、余分に廃棄している野菜が無いかをチェックしてみまし ょう!
【秋野菜】
秋野菜は里芋などの芋類の収穫が多くなります。さつま芋の皮はポリフェノールのクロロゲン酸やアントシアニンを含み、抗酸化作用が高い部位です。また、食物繊維も多いので、皮ごと調理するのがおすすめです。皮を使わない料理の場合は、除いた皮を揚げてチップスなどにすると無駄なく食べられます。ちなみに、長芋の皮もよく汚れを落とせば食べられる部位です。皮の下の部分はぬめりが多いので味が強く、皮ごと食べることで食物繊維も多く摂ることができます。皮付きのまますりおろしても食べられますが、食感や風味が気になる場合は煮物などでじっくり加熱して火を通すとよいでしょう。
【冬野菜】
冬野菜でも、皮ごと食べられるものがあります。にんじんは皮ごと調理した方がβ‐カロテンや食物繊維などの栄養素が多くなります。皮を除いた場合は、皮を細く刻んできんぴらなどの炒め物にすると食べやすくなります。冬野菜で廃棄率が高い野菜には、ブロッコリーやカリフラワーがあります。これらの野菜は茎や葉の部位を捨てることが多いですが、全体の30%以上の重量があります。ビタミンCや葉酸などの栄養素も含むので、捨ててしまうのはもったいない部位です。ブロッコリーやカリフラワーの茎の皮部分は繊維が固く食べにくいので、厚めに皮を剥き、煮物や和え物などにすると良いでしょう。枝分かれした細めの茎は、皮を剥かなくても食べられる固さのものが多いので、こちらも一緒に調理しましよう。
食品ロスを少なくし、さらに美味しく食べられるように野菜を調理することで、実践的に食育の考え方を身に着けることができます。
ぜひご自宅でも調理にチャレンジしてみてください!
Text by はむこ/食育インストラクター
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