
朝食のトーストに欠かせない「バター」や「マーガリン」。 「マーガリン」は体に悪いと言われているから「バター」を選ぶ!という家庭も多いかもしれませんね。そこで今回は、「マーガリン」が体に悪いと言われる理由やバターとの違いについてご紹介します。
【バターとマーガリンの違いは?】
見た目は似ているバターとマーガリンですが、原料や製造方法は、全く異なります。●バター
原料:牛乳(乳脂肪)
形状:かたい
バターは牛乳から乳脂肪分を取り出してかためたものです。「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)により、「乳脂肪分80%以上、水分17%以下」と定められています。
●マーガリン
原料:植物性・動物性の油脂
形状:やわらかい、なめらか
マーガリンは、食用油脂に発酵乳、食塩、乳化剤、着色料、香料などを混ぜて乳化させ、急激に冷やしながら練り合わせたものです。
日本農林規格(JAS規格)により、油脂含有率が80%以上のものが「マーガリン」、油脂含有率80%未満のものを「ファットスプレット」と定められています。
【マーガリンは体に悪い?】
長年そう言われ続けていました。なぜでしょうか?その最大の理由は、マーガリンに多く含まれていた「トランス脂肪酸」が原因です。
トランス脂肪酸はトランス型不飽和脂肪酸で、不飽和脂肪酸自体は体に良いものですが、トランス化されると心筋梗塞などの冠動脈疾患のリスクを高め、摂りすぎると健康への悪影響が懸念されるからです。
従来のマーガリンは、植物油を固形にするために水素を添加していました。この水素添加物を使用することでトランス脂肪酸が生成しやすくなってしまうのです。しかし、アメリカでは2018年に米食品医薬品局(FDA)が「食品への水素添加油脂の使用を禁止」という大きな改定を行い、従来の水素添加が使用できなくなりました。
そもそも、日本のトランス脂肪酸摂取量は世界の中でも低く、アメリカの比になりませんが、日本も近年の改良によりトランス脂肪酸含有量は非常に低いものとなっています。また、マーガリンの中でも固形のスティックタイプより液体に近いチューブタイプの方が水素添加物の少ない、もしくは使用されていない可能性が高いので、商品裏面の原材料をみて選んでください。
ちなみにトランス脂肪酸が低減されていても、マーガリンの脂質が多いことには変わりません。摂りすぎると肥満のリスクを高めるため注意しましょう。
【バターの魅力!】
バターは、なんといってもコクと豊かな風味が魅力。さらに、肌や皮膚を健康に保つビタミンAやカルシウムの吸収を高めるビタミンDなどの栄養素が含まれているのが特徴です。
ただ飽和脂肪酸が多く、摂りすぎると肥満や生活習慣病につながるため、食べ過ぎにないようにしましょう。
いかがでしたか?
バターとマーガリンは、どちらにしても摂りすぎには注意が必要です。
それぞれの特徴を理解し、適度な量を上手に使い分けてみてください♪
Text by くまこ/食育インストラクター
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