発酵食品の魅力~味噌編~

発酵食品の魅力~味噌編~

発酵食品というと、納豆、キムチ、ヨーグルト、チーズ…を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。実は、味噌、しょうゆ、酢、みりん、酒、など調味料もすべて発酵食品です。 今回は日本が誇る伝統的な発酵調味料のひとつ「味噌」についてご紹介します。

【発酵食品とは?】

原料に含まれるたんぱく質やでんぷん質などの栄養素が、微生物(細菌や酵母菌、カビなど)の働きによって分解され、人間にとって有益に作用した食品のこと。もともとは、冷蔵庫がない時代に食材を保存するための技術として発達していきました。

【発酵食品のメリット】

①保存性アップ
基本的に、発酵菌が増殖しているところには、腐敗菌が増殖することがないため、腐りにくく長期間美味しく食べることができます。
また、発酵によって生成される乳酸や酢酸、アルコール自体にも殺菌効果があるため、雑菌の増殖を抑えてくれます。

②栄養価アップ
発酵の過程で食材にビタミンなどの栄養成分が生成され、栄養価が高くなります。さらに、微生物が原料の栄養素であるたんぱく質やでんぷん質などを分解するため、体内に栄養素が吸収されやすくなります。

③おいしさアップ
発酵過程で、微生物の働きによりうまみや甘味、香りなどのおいしさがプラスされます。

【味噌について知ろう】

味噌は大豆を蒸し煮したものに麹と塩を合わせて発酵、熟成させた調味料です。
味噌は「原料」、「味」、「色」で分類されることが一般的です。

●原料による分類
① 米麹と大豆、塩が原料の「米みそ」
② 麦麹と大豆、塩が原料の「麦みそ」
③ 大豆と麹、塩が原料の「豆みそ」
④ ①~③のうち2種もしは3種を調合した「調合みそ」
の4つに大きく分けられています。

●味による分類
「甘口」、「辛口」というように、味によっても分けられます。
食塩量と麹歩合(原料大豆に対する米麹や麦麹の比率)により、同じ塩分量でも、麹歩合が高いと甘口になります。

●色による分類
「赤みそ」、「淡色みそ」、「白みそ」に大別されます。
色の違いは、大豆などの原料の種類、大豆を煮るか蒸すか、麹の量などさまざまな条件によって異なります。
ちなみに味噌の色が濃くなるのは、発酵・熟成中の「メイラード反応(アミノ・カルボニル反応)」によるものです。

【味噌の嬉しい効果】

味噌は「畑の肉」とも呼ばれる大豆が主原料で、良質な植物性たんぱく質を多く含んでいます。また、大豆は発酵によってアミノ酸やビタミンなどが多量に生成され、栄養価が高まるだけでなく、酵素の力で大豆より消化吸収されやすくなります
その他、記憶力を高めたり、コレステロール値を下げる働きがある「大豆レシチン」、抗酸化作用のある「大豆サポニン」も含まれています。


いかがでしたか?発酵食品は体に嬉しい効果がいっぱい。ただ塩分が高いものも多くあるので注意しましょう。
健康を維持するためにも、毎日いろいろな発酵食品を取り入れたいものですね。

Text by くまこ/食育インストラクター
 

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