
みずみずしくてシャキシャキとした食感が魅力の「レタス」。 レタスというと、日本では結球した玉レタスを言いますが、もともとは地中海沿岸から西アジアにかけてが原産地で、結球しないリーフレタスが始まりでした。 日本での栽培は諸説ありますが、平安時代に始まり、玉レタスが日本に入ってきたのは江戸時代末期になってからのようです。本格的に栽培されるようになったのは明治時代になってからで、それ以降、サラダ野菜として定着しました。
【レタスの語源は?】
レタスを切ると白い液体が出てくるのを見たことはありませんか?そう、この白い液体こそがレタスの語源。
ラテン語で「乳」を意味する「lac(ラク)」からレタスを「lactuca(ラクトゥーカ)」と呼ぶようになり、それが英語で「lettuce(レタス)」となりました。
レタスは和名で「ちしゃ(乳草)」と言い、日本でもこの白い液体を「乳」をイメージしていたことがわかります。
ちなみにこの白い液体は、「乳液」と呼ばれ、ポリフェノールの一種が含まれています。断面が空気に触れると赤色に変色し、薄い塩水か、酢水で拭くと変色を防ぐことができます。
【ほとんどが水分?栄養はあるの?】
レタスの95%以上が水分ですが、β‐カロテンやビタミンC、ビタミンE、ビタミンK、葉酸(ビタミンB群の一種)といったビタミン類や、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル分、食物繊維などを微量ずつバランスよく含んでいます。中でもビタミンKや葉酸、カリウムは比較的多く含まれ、ビタミンKは血液凝固や丈夫な骨づくりなどに関与し、葉酸はビタミンB12とともに血液を作って貧血の予防に役立ちます。また葉酸は胎児の発育に欠かせない栄養素なので、妊娠の可能性がある方や妊娠初期の方は積極的に摂るようにしましょう。
カリウムは体内の余分なナトリウムを体外に排出し、むくみの予防に効果的です。
【レタスの種類は?】
店頭でもよくみかける代表的なレタスをピックアップしました。●玉レタス
一般的にレタスといったら、玉レタスを指します。生食でサラダとして食べたり、炒めたり、煮たりなど様々な調理法で楽しめます。
●サニーレタス
リーフレタスの一種で、葉先がやわらかく赤紫色をしています。クセや苦味がないので、サラダはもちろん、サンドイッチや、焼肉の巻物にも向いています。
●サラダ菜
結球したレタスに分類されますが、芯の部分のみ結球し、葉の巻きが緩やかな品種です。料理の添えとしてわき役にされがちですが、葉はやわらかくクセがないので、サラダやスープにしても美味しく召し上がれます。
●コスレタス
葉が立って楕円形をしたレタスで、「ロメインレタス」とも呼ばれています。葉が厚く、やや苦みがあるのが特徴で、よくシーザーサラダに使われます。
火を通してもシャキシャキとした歯ごたえが残りやすいため、炒めたり、焼いたりして食べるのもおすすめです。
その他、グリーンカールやサンチュ、茎レタスなどの様々な種類があります。
ぜひお好みのレタスを見つけて、味わってみてくださいね。
Text by くまこ/食育インストラクター
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