どこでも買えるけれどやっぱり特別?牛肉のお話

どこでも買えるけれどやっぱり特別?牛肉のお話

肉食が解禁された明治時代以降、日本でも多くの人が牛肉を食べるようになりました。現代でも、ちょっと奮発して豪華な食事を…と思った時には、牛肉が候補に挙がることが多いのではないでしょうか。今回はそんな牛肉のお話です。

現在はスーパーなどでも必ず取り扱いがあるものの、牛肉は食肉の中では価格が高めです。これは、一頭を出荷するまでに育てる期間がかなり長く、その分が値段に反映されているからです。
具体的には、現在日本で主に流通している牛は29~30カ月で出荷されています。つまり、牛1頭が牛肉として食べられるようになるまでは2年以上の時間がかかるのです。豚(※出荷までおよそ6カ月程度)と比較すると2倍以上の差があるので、牛肉が高価になるのが納得できますね。

また、出荷時に肉の等級が決められるのも、牛肉がちょっと特別な印象になる理由の一つかもしれません(※正確には、豚肉にも肉の等級は定められています)
牛肉を取り扱うお店では、ときおりメニューなどで「A5ランク牛」など牛の等級をアピールしていることがあります。なんとなく「Aがついているのだから美味しい牛肉なのだろう」と考えてしまいがちですが、このA~Cのアルファベットは肉質の良さを表しているものではありません。これは歩留を表していて、その牛からとれた枝肉の割合を表すものです。肉質の良さを評価しているのは数字の方で、数が多いほど良いとされます。
例を挙げるとA3ランクなら「標準的な肉質ではあるが量がたくさんとれた」、C5ランクなら「量は少ないが良質な肉質」となり、この場合はC5ランクの肉の方が希少で美味しい肉であるといえます。
ただし、この等級での肉質を判定する場合、霜の入り方や色ツヤなどの項目も評価されることは覚えておきたいポイントです。
霜降りでジューシーな柔らかい牛肉を食べたい時には参考になりますが、赤身で引き締まった肉質の牛肉を食べたい場合には、この等級をそれほど重視する必要はないでしょう。

牛肉は栄養価も高く、良質なたんぱく質はもちろん、鉄や亜鉛などのミネラルを多く含んでいるのが特徴です。これらの栄養素は赤身肉の方が多いので、普段の食事では赤身の牛肉を選び、特別な日の牛肉は霜の入ったジューシーなものを選ぶなど使い分けると、栄養価の面でもバランスが良くなりますよ!

Text by はむこ/食育インストラクター
 

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