洋食の味付けに欠かせない? ソースと日本のつながり

洋食の味付けに欠かせない? ソースと日本のつながり

揚げ物や、お好み焼きなどの粉もの料理に欠かない存在がソース。家庭に常備していることも珍しくありません。 今回はそんなソースについてお話します。

【ソースとは?】

日本で一般的にソースと呼ばれるのが、ウスターソース。
もとになったのはイギリスのウスターシャー州で生まれたソースで、果実や野菜をスパイスと一緒に熟成させて作ります。塩味・甘味・酸味・辛みなど、複雑で濃厚な味わいがあります。
日本には明治時代に洋食が食べられるようになってから普及し、国内生産も始まりました。

そうしてなじみ深い調味料の一つとなったソース。現在では地域ごとに好まれる味が違っています。
関東で最も多く消費されているのが中濃ソース。ウスターソースよりもとろみがあり、家庭で常備している率も高めです。
一方、関西では「粉もん文化」と称されることもあるほど、ソースを使用する料理が好まれています。ソースも焼きそば用・たこ焼き用・お好み焼き用…など、用途によって専用のソースを使い分けることが多く、味付けや濃度に変化を付け、より美味しく食べられるように工夫されています。
同じウスターソース類に分類されているとはいえ、それぞれの味や風味は異なります。レシピの材料でソースが登場した時は、どのソースを使用しているのかをしっかり確認しましょう。ウスターソースと書かれているけれどお好み焼きソースで作ろう…としてしまうと、仕上がりに影響が出る可能性があります。

ウスターソース類には、他にも味に影響する表記があります。購入する時、パッケージに「特級」と書かれたソースを見かけたことはありませんか? 実はこの「特級」の表記を付けるためにはJAS規格で定められた基準を満たす必要があり、自由に名乗ることはできないものです。
特級は標準タイプと比較すると、主にうま味や甘味などの成分の指標となる無塩可溶性固形分の比率が高い値に決められているので、より深みのある味わいになるのが特徴です。
揚げ物などにかけて食べると美味しいのはもちろん、カレーなどの煮込み料理に入れるとより美味しくなるので、覚えておいて損はありません。

現在は流通網の発達により、地元では馴染みのないメーカーのソースも手に入りやすくなりました。味を比較してみて、自分の好みに合うソースを探してみるのも面白いですよ!

Text by はむこ/食育インストラクター

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