
寒さが身に染みる季節には、温かい鍋物が恋しくなるものですよね。 そんな鍋物に欠かせない野菜が白菜。出汁のうま味が染みて、トロっと柔らかな食感になるのがたまりません。 今回はそんな白菜についてのお話です。
【「白菜」の起源】
白菜ははっきりとした原産地が明らかになっていませんが、中央アジアから中国にかけて原産種が分布していたとする説があります。また、英語では「Chinese cabbage」。直訳すると「中国のキャベツ」と書かれることから、主に中国で食べられることが多い野菜だったと考えられます。実際、現代でも中国では多くの地域で白菜が栽培されており、その生産量はダントツの世界1位です。
一方で、日本では白菜の歴史は浅く、明治時代に入ってから栽培が進んだそうです。
今では鍋に欠かせない存在にまでなっている白菜ですが、日本ではまだ100年程度の歴史だと考えると、少し不思議に思えますね。でも、比較的新しい野菜とはいえ、寒さに強く、冬場でも収穫できる白菜はどんどん各地に広まり、昭和に入ってからは多くの地域で栽培されるようになりました。
【「白菜」の効能】
白菜は淡色野菜なので、β‐カロテンなどの栄養素はそれほど含まれていません。しかし、えぐみや苦みが少なく、加熱するとかさが減るので、量を食べやすい野菜の一つです。日本人に不足しがちな栄養素の食物繊維も、白菜なら無理なくたくさん食べられるのでおすすめです。
また、白菜はストレスへの抵抗力を高めるビタミンCや、むくみを予防するカリウムなどの栄養素も含みます。これらの栄養素は水に溶けやすい特徴がありますが、汁ごと食べられる料理なら損失が少なく食べられます。
つまり、鍋物や汁物と相性の良い白菜は、冬場に体を温めながら、栄養も無駄なく摂れる、いいこと尽くめの野菜なのです。
【白菜は今がおいしい季節!】
白菜はほとんどの季節で流通している野菜の1つですが、気温が下がって寒くなる11月以降のものが一番美味しくなります。その理由は、白菜が自分の葉が凍ってしまわないように糖分を蓄えることで、白菜の持つ自然な甘みが強くなるからです。
旬とはいえ鍋物ばかりだと飽きてしまうかも…という場合はサラダにすると、冬の白菜ならではの甘さと瑞々しさを堪能できるのでこちらもおすすめの食べ方です。
冬野菜の定番、白菜。
一年で一番美味しい時期を見逃さず、たくさん召し上がって下さいませ!
Text by はむこ/食育インストラクター
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