
食べ物の選択肢が多様化する昨今は、お腹を満たすだけなら安価で手早く済ませることも可能です。しかし、それだけでは栄養が偏りがちなのも事実です。 自炊の大きなメリットの一つには、食材や調理法を組み合わせて、栄養バランスを整えやすいことがあります。無駄なく栄養素を摂るために、野菜の調理で意識しておきたいポイントについてご紹介します!
【野菜の栄養価の損失を抑えるには?】
野菜は人間の体でつくることのできないビタミンや、食物繊維を豊富に含むものが多く、健康維持に欠かせない食品です。しかし、ビタミンの中には水溶性のもの(ビタミンC・ビタミンB群など)も多く、加熱や酸化に弱いことには注意が必要です。
もちろん、全ての野菜を生食で食べられれば栄養素の損失はありませんが、それは現実的とはいえません。そのため、栄養価の損失を抑える調理方法を憶えておくと役に立ちます。
例えば、野菜は茹でるよりも蒸す・焼く・揚げるなどの方が水溶性の栄養素の流失を抑えられます。ブロッコリーやカリフラワーなど、茹でて調理することの多い野菜は、蒸したり、電子レンジで加熱することで水溶性の栄養素の損失が抑えられます。
茹でて調理することにもメリットがあります。まず、全体のかさが減るので、たくさん食べやすくなること、特に、日本人に不足しがちな食物繊維は、野菜を茹でても損失が無いので、たくさん食べられるのは嬉しいポイントです。また、ほうれん草のように、茹でることでえぐみのもとになるシュウ酸を大きく減らせるので、茹でた方がよい野菜もあります。
その他、煮る調理では、煮汁に水溶性の栄養素が溶けだすので、煮汁ごと食べられるスープなどにすると、無駄なく栄養素を摂ることができます。
それ以外に気を付けたいポイントでは、野菜は鮮度が落ちると栄養素も少なくなることがあります。野菜はなるべく、その都度使う分だけを購入した方が、栄養素の無駄を抑えることに繋がります。使いきれない場合は、その日のうちに下茹で(もしくは蒸す)などの下処理をしてから冷凍するのがおすすめです。
この調理法は栄養素が無駄になるからしない、と決めてしまうと、調理の幅が狭くなります。
できる範囲で対応できるものを少しずつ取り入れながら、無理なく、たくさん野菜を食べられると良いですね。
Text by はむこ/食育インストラクター
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