
忙しい時に便利な作り置き。毎日自炊をするのが難しい時など、普段から活用されている方もたくさんいらっしゃいます。しかし、作ってから数日間も保存するとなると、食中毒のリスクを高める可能性があることも事実です。 今回はリスクを避ける作り置きの方法について確認してみましょう。
【覚えておきたい!作り置きをするときの注意点】
作り置きの基本として押さえておきたいのが食中毒対策の三原則、細菌を「つけない(洗浄・清潔)」「増やさない(調理後の迅速・冷却)」「やっつける(加熱・殺菌)」です。調理後にすぐ食べられる料理とは違い、作り置きの場合は冷却・保存容器の洗浄など、衛生について注意するべき点が多くなるのは、忘れないようにしたいですね。
プラスチック・ホーローなど、作り置きに適した保存容器は様々ありますが、使いまわしをする場合は、どの材質であってもその都度しっかり洗浄を行うことが原則です。特に蓋やパッキンの部分は水が溜まりやすく、水分は菌の増殖を招くので、きちんと洗浄した後はよく乾燥させることが大切です。洗ってからすぐ使うのは避けましょう。
調理中の手袋の着用も、食中毒リスクを避ける上で重要です。よく手洗いをし、さらに、作業毎に手袋を変えるとより安全です。
また、サラダや和え物など、生野菜を使うレシピでも、作り置きをする場合は、一度全ての食材を加熱して調理することで、リスクを低減できます。
きゅうりや玉ねぎといった生食する野菜でも、熱湯で10秒間茹でてから冷水にとり、しっかり水分を取ってから使うと、食中毒の原因菌を減らすことができます。
さらに、調理後は速やかに冷まし、菌の増殖を抑えることが特に重要です。粗熱が取れたらすぐに保存容器に詰め、冷蔵しましょう。
詰める時に使用する箸などは、きちんと洗浄されたものを使用し、食べる時は必ず、取り箸を別に準備しましょう。
その他に注意する点は、食べる時に何か味や香りに違和感がある場合は、食べるのをやめておきましょう。数日間保存し、場合によっては何度も容器を開け閉めする作り置きは、品質の劣化が起こりやすいからです。
作り置きの料理を使うと大きく時短になることから、お弁当に利用する場合があるようです。しかし、食中毒リスクを下げるためには、お弁当に詰めるおかずは当日調理が基本です。やむを得ず作り置きを詰める場合は、必ず十分な再過熱をし、手早く冷ました状態のものをいれましょう。
作り置きは忙しい生活をサポートしてくれる強い味方です。食中毒のリスクを下げるように注意しながら、うまく利用していきましょう。
Text by はむこ/食育インストラクター
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