
触るとチクチクする皮や、一目でわかる鮮やかな色合いの断面。一度見たら忘れない特徴的な果物が、キウイフルーツです。 今回は日本でも広く流通しているキウイについてのお話です。
【なぜ、「キウイ」と名づけられたの?】
「キウイフルーツ」の語源となったのが、ニュージーランドに生息するキーウィという鳥です。この鳥の羽毛にキウイの皮が似ていたことから、「キーウィ→キウイ」と名付けられたのだそう。この由来から原産地もニュージーランドだと思われがちですが、実はキウイの原産地は中国。世界の総生産量で見てもトップです。
ニュージーランドでキウイの栽培が始まったのは1900年代に入ってからで、当時は「チャイニーズ・グーズベリー」の名で呼ばれていたのだそうです。その後、品種改良が進み、現在の形のキウイが栽培されるようになります。実はニュージーランドとキウイの関係は、まだ100年程の出来事なのですね。
現在は日本でもキウイは栽培されていますが、生産量はまだ多くないので、一般に流通しているキウイの多くは輸入品(ほとんどがニュージーランド産)です。しかし、キウイは適切な温度管理を行えば長期保存が可能なこと、北半球の日本と南半球のニュージーランドでは収穫時期がずれることなどから、年間を通して流通しやすく、安定して手に入れやすい果物のひとつとして親しまれています。
【キウイに含まれる栄養素】
キウイは栄養価が高い果物で、特に、抗酸化作用が高く、生活習慣病の予防に役立つビタミンC・Eが豊富です。また、たんぱく質分解酵素のアクチニジンを含むので、肉料理などと相性がよく、消化を助ける働きが期待できます。アクチニジンは加熱すると効果が失われてしまうので、キウイは加熱せず生のまま食べられるサラダなどに入れると効率的です。グリーンキウイの方がゴールドキウイよりもアクチニジンの量が多く、ビタミンCが少ないという特徴があるので、消化吸収のサポートを目的にするならグリーン・抗酸化作用や肌荒れ予防にはゴールドと覚えておくと役立ちます。
なお、キウイは食物アレルギー表示対象品目の表示推奨品目の1つに数えられている食品です。食べた時に口や喉に痒みなどの異常が出る場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
ちなみに、捨ててしまいがちなキウイの皮ですが、実は食べられる部位です。皮の内側部分は食物繊維やアクチニジンが特に多く含まれるので、栄養を無駄なく摂りたい場合は、ブラシなどを利用して皮の表面にある産毛のような部分をしっかり洗い落としましょう。口あたりが気になる場合はスムージーなどにすると食べやすくなります。
栄養価が高く、いつでも手に入りやすいキウイ。
生で食べるのはもちろん、特徴的な風味を生かして多種多様な料理にも使うことができるので、ぜひご活用くださいませ。
Text by はむこ/食育インストラクター
-
カテゴリ